馬場敏史氏の眼「苦境の阪神。1人の例外もなく全員が勝利に団結すれば空気は変わる」

 7回、柳(左)の前に投ゴロに倒れる近本(撮影・飯室逸平)
 7回、大山は見逃し三振に倒れ顔をしかめる(撮影・山口登)
 6回、二ゴロに倒れた佐藤輝は悔しがる(撮影・田中太一)
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 「中日4-1阪神」(14日、バンテリンドーム)

 阪神が苦しんでいる。14日の中日戦も敗れ、6連敗。抜け出せない泥沼にあえぐ名門球団。長年、選手、指導者として頂点も苦境も味わい尽くしたプロ野球OB・馬場敏史氏が、これまでの戦いぶり、そして今後の戦い方について語った。

  ◇   ◇

 タイガースが苦しい状況にありますね。まず開幕戦(対ヤクルト、8-1から逆転負け)を取れなかったことは、確かに痛かったと思います。

 ただ、その1試合がここまで尾を引くとも思えません。それぞれの試合を見てみると、僅差の展開も少なくありません。つまり、なすすべなく敗れた試合以上に、紙一重を取り切れなかったのが、現在の成績となって現れているのでしょう。

 もし私がそういう状況にあれば「どうしよう、どうしよう」という精神状態に置かれるでしょう。そうなると、先制しても「逆転されるかも」と考え、先制されれば「今日も負けるのか」と考える、メンタル面で、いわゆる負のスパイラルに陥ってしまう。

 矢野監督が、開幕前に今季限りの退任を表明したことを問題視する論調もありますね。確かに私もそういうケースは聞いたことがなかったので、驚きました。その影響が、今のチームに影を落としている可能性も否定しません。

 チームは、全員が同じ方向を向いて戦わなければ、舵取りは難しくなります。阪神に「負けてもいいや」と考えている選手がいるかと言えば、それはないと断言できます。ただ、退任が決まっている監督に対して、気持ちが緩む選手が1人いれば、実は「何十分の一」以上の足かせとなる場合があります。

 そうすると、先に述べたように、僅差の試合が多い、つまり力負けしていないのに、勝利に結びつかないという現象の増加につながります。

 首脳陣は、選手を信頼するしかありません。これからもいろんな方策を打ち、いろんな選手が起用されるでしょう。そこで出る選手、ベンチで応援する選手、全員が勝利にこだわる。それしかないし、それができれば空気は変わるんじゃないでしょうか。

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