【藤田平氏の眼】阪神・大山 お見事!勝利を決めた4番の一発

 「巨人2-3阪神」(29日、東京ドーム)

 勝利を確信させてくれたホームランだった。八回にソロ本塁打を放った阪神・大山は浮き気味となったカットボールをしっかりと仕留めた。大山の得意とするコース。価値ある4番の一発だと言っていい。

 いい表情をしている。ポジションがファーストとなり、打撃にいい影響を与えているのだろう。この日が4番でスタメン復帰。六回は立岡の一塁線を抜けそうな鋭い打球を飛びつきながら好捕した。打席は本塁打を含む2安打1四球。この日の大山から患部への不安は感じられない。

 そして三回に先制2ランを放った佐藤輝。打者からすれば相手投手の決め球、打ち取られた球種、続けて投げられたボールなどを待つ考え方がある。菅野から前の打席で直球を続けられたことが生きたかもしれない。

 本塁打にしたボールはインサイド気味のストレート。現在は体を開き気味にして打つ傾向があり、ちょうど打ちやすいコースになった。今のチーム状況を考えれば打順は3番=佐藤輝、4番=大山でいいだろう。

 また、忘れてはいけないのが投打で良い仕事をした青柳だ。三回先頭打席で左前打。佐藤輝の2ランを呼んだ。投手が出塁し、本塁打へつなげるという巨人ベンチにとって効果的な攻撃となった。

 この日で4連勝。後は1番・近本と2番・中野に当たりが出てほしい。投手陣で言えば、ここまでチーム8勝の内、青柳が3勝。浮上へ大事なのは他の先発投手で白星を拾っていけるかだ。

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