阪神・佐藤輝が完全阻止 十回意地の大野雄撃ち二塁打「明日はしっかり打って…打ちます!」
「中日1-0阪神」(6日、バンテリンドーム)
ドーム内の観衆の大半が、大野雄の完全試合のシナリオを思い描いていたに違いない。アウェーそのものの空気感の中、快挙達成を阻止したのは阪神の3番・佐藤輝。鬼気迫る表情で投げ進め、29人連続でアウトを重ねてきたサウスポー相手に意地の一振りだ。
「真っすぐが良かったんで、速い球に合わせていきました」
30人目の打者で打席に入ったのは延長十回2死無走者。大野雄が115球目に投じた145キロ高め直球に、完璧にアジャスト。打球は中越えの二塁打となり、虎党の歓声と竜党のため息が大きく入り交じる一打となった。
快挙を阻んだ一振りとなったが、表情に笑顔はない。そこまで3打席は全て内野ゴロに打ち取られ「正直、打ちミスなので悔しい」と正直な思いを吐露。今季、大野雄にはこれまで打率・429(7打数3安打)、1本塁打と結果を残していたが「(今日は)コントロールが良かったと思います」と振り返る。
チームとしても「しっかりコンパクトにっていうのは言われてました」と対策したが、結果にはつながらなかった。それでも、ただでは終わらなかったことは事実。「明日はしっかり打って…打ちます!!」と断定調に言葉を換え、気持ちを新たにした佐藤輝。虎の反攻を告げる一撃をスタンドに突き刺し、勝利の流れを演出する。