阪神の課題が浮き彫りになった二回の逸機 佐藤義則氏「佐藤輝も大山も状況判断ができていなかった」
「中日3-4阪神」(8日、バンテリンドーム)
阪神が逆転勝ちし、今季バンテリンドーム6試合目にして初勝利を挙げた。七回に7番降格の大山が5号同点2ランを放ち、八回には4番・佐藤輝が中前打で勝ち越し点をお膳立て。主軸の活躍で連敗も2で止めたが、デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(67)は二回の拙攻に「状況判断ができていない」と厳しい目を向けた。
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どうにか勝つことはできたけど、もうちょっと打つ方が頑張らないといけないね。この試合でも今季の課題が浮き彫りになったシーンが二回にあった。
佐藤輝とロハスの連打で築いた無死一、三塁のチャンス。続く糸原のボテボテの三ゴロに三走・佐藤輝がスタートを切り、三本間に挟まれてタッチアウトになった。打球の勢いを見れば5-4-3の併殺はないのだから、佐藤輝はスタートを踏みとどまり、1死二、三塁として後続に託すべきだった。
その後、相手の暴投で1死二、三塁とチャンスが広がったが、ここで大山は前に飛ばすことができず、最もやってはいけない見逃し三振に倒れた。続く梅野も空振り三振でこの回無得点。佐藤輝も大山も状況判断ができていないと感じた。
大山は前日も四回1死二、三塁のチャンスで初球を簡単に打って三ゴロに倒れ、無得点に終わっている。こういうチャンスで、しつこく点を取れるようにならないと、今後もチームの浮上はなかなか望めないだろう。各球団とも後ろにいけばいくほど、いい投手がそろっており、序盤のチャンスを逃すと、点を取るのがどんどん難しくなっていく。
大山はまだまだ本調子にはほど遠い印象だ。この日の同点2ランは相手が変化球を続けてきた中で、甘く入った変化球を捉えることができたけど、あとの3打席はいずれも速い球で攻められて凡退した。九回の打席も直球に詰まらされての右翼フライ。バットが出てきていない。チームが巻き返していくためにも、なんとか早く復調のきっかけを見つけてもらいたい。