阪神・西純がプロ1号&プロ初完投 豪快一振り!U18W杯本塁打王が大谷超え“二刀流”

 2回、左越えに2ランを放つ西純(撮影・佐々木彰尚)
 2回、2ランを放ち歓喜の表情で生還する西純
 9回、長岡を遊ゴロに仕留め完投勝利を挙げた西純
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 「ヤクルト1-8阪神」(18日、神宮球場)

 阪神・西純矢投手(20)が打って投げての大活躍だ。「8番・投手」でスタメンに名を連ね、二回に左翼席中段にプロ1号となる豪快2ラン。投げても本塁打による1失点に抑え、今季2勝目をプロ初完投で飾った。若武者のあっぱれすぎる奮闘ぶり。これぞ“虎の二刀流”や!!

 夜空に舞い上がる高弾道の白球。打った瞬間の西純のフォロースルーは完全にアーチストの姿だ。どよめきに包まれる神宮球場でバットを放り投げ、笑顔でダイヤモンドを一周。初アーチに「自分が一番、びっくりしました」と驚きを隠せず。投げてはプロ初完投と、まさに“二刀流”ばりの活躍を演じた。

 球団では、07年5月5日・広島戦(甲子園)のボーグルソン以来、15年ぶりに「8番・投手」で出場。試合前に告げられ「びっくりしました」と苦笑いだが、試合前の打率・400の打撃を買われての起用だ。そこで期待に応えるあたり、やはり役者が違う。

 1点リードの二回2死一塁。高橋の初球、真ん中に甘く入った150キロ直球を迷わず強振。「待っているところに来て、バットを出した。打った瞬間、“行ったわ”と思いました」。手応え十分の一撃は、長い滞空時間を経て左翼席に届いた。

 高校通算25発で19年のU18W杯では本塁打王に輝いた逸材。母校創志学園の長沢宏行監督(69)も「5、6番を打たせたりもした。練習試合では(倉敷)マスカット球場の122メートルのバックスクリーンに運んだしね」と当時を懐かしみ、「プロで生き残るためにはバッティングも生かせよ」と過去に助言も送っていたという。

 ピッチングでも練習は怠らないが、打者としての準備も余念がない。虎風荘では時間を見つけては自室で素振りを繰り返すなど、鍛錬に励む。成長できるプロの環境が楽しいからこそ“練習の虫”へと変貌を遂げた。

 「元々、練習は嫌いな方だったんです。昔は休みの日とかも練習するようなタイプじゃなかったんですけど、今はトレーニングなど毎日が楽しいです。毎日、いろんな課題も分かることで充実しています」

 本職の投球でも存在感は抜群。最終回も150キロ台が出るなど余力も十分で、三塁打が出ればサイクル安打だった山田を空振り三振に抑えると、高校時代から代名詞のガッツポーズも繰り出した。

 9回6安打1失点、自己最多115球の熱投でつかんだ2勝目だ。ヒーローインタビューでは手元に戻った1号の記念球を掲げ「(初完投の記念球と)家に持って帰ります」-。忘れられない試合。神宮で魅せた勇姿は必ず、今後の成長につながるはずだ。

 ◆完投&本塁打 阪神で本塁打を放って完投勝利した投手は18年5月8日・秋山(9-0巨人)の完封以来。なお、二刀流で活躍するエンゼルス・大谷は日米通じて本塁打&完投勝利を同時に達成したことはない。

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