阪神・湯浅京己投手（２２）が６日、出場選手登録を抹消された。今季はセットアッパーとして２３試合に登板し、０勝１敗、リーグトップタイ１６ホールド、防御率０・８２とフル回転してきたが、リーグ戦再開に備えて疲労回復を優先した形だ。金村投手コーチは湯浅が務めた「八回」についてスクランブル態勢で臨むことを示唆。アルカンタラ、岩貞、加治屋、渡辺、藤浪らを臨機応変に起用する構えだ。

　交流戦残り６試合。若きセットアッパー不在でも十分に戦える。リーグ屈指のブルペンを預かる金村投手コーチに不安の色はなかった。湯浅の抹消について、以前から矢野監督に進言していたことを明かし、疲労回復を最優先に考えた上での措置であると強調した。

　「彼のキャリアは今年だけじゃない。楽しいだろうし、『頑張りたい』という気持ちがあるだろうけど、むちゃしてケガして離脱されるのが一番痛い。リーグ戦再開でしっかりとした状態で帰ってきてくれるのがベスト」

　湯浅はここまで２３試合に登板。リーグトップタイの１６ホールドをマークし、１６試合連続無失点も継続。ただ、最近は走者を背負う場面が見られ、疲労が心配されていた。交流戦後は４日間のブレークがあり、首脳陣はリーグ戦再開となる１７日・ＤｅＮＡ戦（甲子園）から１軍復帰させる青写真を描いている。

　通常、セットアッパー不在はチームの危機に直結するが、今なら前向きに捉えられる。チーム防御率２・７８は首位・ヤクルトに次ぐリーグ２位。中継ぎ陣は交流戦でも同１・４７と圧倒的なパフォーマンスを続けている。

　金村コーチは湯浅に代わる「八回の男」について、「誰というのは決められない」と固定しない方針だ。ただそれは信頼の裏返し。「打順もあるし、サダ（岩貞）でもカジ（加治屋）でもいい。誰でもいいっていう自信がある」。相手の左右や調子を見極めた上で、現在「七回の男」を務めるアルカンタラ、左殺しの渡辺、ロングリリーフも可能な藤浪らを含めて、臨機応援に対応していく考えだ。

　「この６試合はスクランブル的な感じになると思う」と金村コーチ。ブルペンは顔ぶれもタイプもバリエーション豊富だ。積極的な継投策で、守護神・岩崎まで勝利のバトンをつないでいく。