阪神・西純がローテを守るには何が必要?背後に控える藤浪 中田良弘氏の見解は
「阪神6-5中日」(26日、甲子園球場)
阪神が延長戦を制し、中日戦を3連勝で終えた。しかし、先発した西純矢投手(20)は五回途中で降板。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は2試合連続途中降板の原因が球威不足にあるとし、先発ローテーションを守るには「直球を磨くこと」を条件に挙げた。
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戦力比べのような延長戦になったが、私には阪神・西純、中日・柳両先発投手の“マウンドさばき”の差が強く印象に残ったね。
西純は球の走りが悪かった。低めを意識するていねいさは伝わってきたが、生きたボールではないから、打球が全部ヒットコースへ飛んでいた。
全体的に直球が少なく変化球が目立ち、力強さに欠ける感じがした。五回途中降板での被安打9が苦しい投球を物語っているね。
この投手心理が最も表れていたのが、五回一死二塁で打席に岡林を迎えた場面。ボール2からの3球目のサイン交換で、西純は首を振ってフォークを投げた。
強打者でもない岡林に対して変化球だからね。よほど直球に自信がなかったのだろう。結果はストレートの四球。リードする梅野も、この日は苦労していたんじゃないかな。
(西純は四回に5安打を集められ3失点し、五回一死満塁で降板。9被安打、4失点だった。前回登板の19日・DeNA戦は3回1/3で降板している)
2試合連続で早い回にマウンドを降りたが、この日は特にスピードがなく、球速が140キロ台後半で止まっていた。
やはり真っすぐがあってこその変化球。ストレートが走らないと変化球はキレない。今後は原点に立ち返り、自身の良さでもある直球を、よりいっそう磨いてほしいと思う。
それと状態が悪いときにどういう投球をして、かわしていくか。そういう工夫も必要だろうね。直球が走らなければお手上げでは困るから。
一方の柳は初回こそ打ち込まれたが、徐々に立ち直っていった。七回には自ら左線へ二塁打を放ち、そして生還した。
すでにこの時点で100球を超えていたが、その裏をあっさり3者凡退で片づけた。相手は近本、佐藤輝、大山のクリーンアップ。間違いなく疲れているのに平然と投げるスタミナと精神力は立派の一語に尽きる。こういうところを見習ってほしいね。
西純の魅力は向こう意気の強さ、荒々しさじゃないのかな。今後はおとなしくまとまらず“強い直球”にこだわってほしい。加えて体力。先発ローテーションを守り抜くためにもね。