【谷佳知氏の眼】阪神 大山の後を打つ「6、7番」がポイント 上位浮上のカギは下位打線
「DeNA6-2阪神」(28日、横浜スタジアム)
阪神はDeNAに逆転負けを喫し、連勝は3でストップした。初回に2点を先制後、打線が沈黙。6イニングぶりに得点圏に走者を置いた九回も得点を奪えず。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(49)は阪神が上位に進出するポイントとして、6月絶好調だった5番・大山の後を打つ打者を挙げた。現在の1軍メンバーなのか。もしくは新外国人・ロドリゲスなのか、2軍調整中のマルテなのか。“救世主”の出現を期待した。
◇ ◇
初回の攻撃を見た時、阪神の勝利は堅いだろうと思った。中野、島田の連打に失策が絡んで先制すると、すかさず島田が二盗に成功。近本は意識的に一ゴロを打って、走者を三塁に進めた。佐藤輝の中飛は浅かったが、島田が難なく本塁に生還。足があり、状況に応じた打撃ができる1、2、3番でチャンスをつくり、4、5番がかえす、という6月の好調を支えてきた得点パターンが見事に形になった。
立ち上がりのDeNA先発の大貫はボールが高く、二回以降に追加点を奪うのも難しくないとみていた。三回2死一、三塁で佐藤輝に一本が出ていれば、そのまま勝利に向かっていけただろうが、大貫は徐々にスプリットが低めに決まり出し、真っすぐもキレてきて、中盤以降はまったく打てる雰囲気がなくなった。5試合連続2桁安打と好調だった阪神打線だが、序盤にあと1点が取れなかったことが結果的に響いた。
この試合、6月に入って打ちまくっていた5番・大山は3打数無安打に終わった。これまでのようなペースでシーズン最後まで打ち続けられればいいが、そううまくはいかない。打者には必ず、波がある。大山の後を打つ6、7番の存在がクローズアップされる試合がこれからは増えてくるはずだ。
九回の攻撃に今後の課題が見えていたように思う。
1死から佐藤輝が右越え二塁打を放った後、大山は遊ゴロ。糸原は二塁内野安打でつないだが、7番の糸井は見逃し三振に倒れた。6月は大山がことごとく走者をかえしてくれていたが、打撃の状態が落ちてくれば当然、6、7番にチャンスが数多く回ってくる。そこでどれだけ得点できるか。下位打線であと1点、2点が奪えるかどうかで、勝敗の行方も変わってくる。
恐らく首脳陣もそのあたりを今後の課題として捉え、その解決策のひとつとして新外国人のロドリゲスを獲得したのだろう。
この試合、DeNAは7番のソトが勝ち越しソロを含めて3安打3打点を挙げた。やはり下位打線に一発がある打者がいると怖い。ロドリゲスなのか、2軍で実戦復帰したマルテなのか、糸井なのか、糸原なのか。「6、7番」を誰に任せるのかは、上位を目指す矢野阪神にとって大きなポイントになるだろう。