矢野阪神 大野雄登板回避でも8継投竜崩せず 指揮官「プラスアルファの“何か”を」
「中日3-1阪神」(1日、バンテリンドーム)
阪神は接戦を落として4連敗となった。予告先発されていた中日・大野雄が背中の張りで登板を回避したが、相手の継投策に打線が苦しみ、矢野燿大監督(53)は拙攻を悔しそうに振り返った。7月は黒星スタートとなり、最下位・中日に1ゲーム差に迫られた。
再三の得点機に左翼席の虎党が沸き、そのたびにチャンスマーチがため息でかき消される。エースのアクシデントに燃えた、中日投手陣の執念の前に虎打線が決め手を欠いた。
「横浜でもそうやったけど、ちょっとかみ合わないというかね。相手も(走者が)得点圏に行けば、絶対に打たせないっていう球を投げようとするし、キャッチャーもそういう配球をするんで…」
矢野監督も悔しそうに振り返る、拙攻のオンパレードだった。5度もイニングの先頭打者が塁に出て、その全てで走者を得点圏に運んだ。それでも点が入ったのは、糸原が一時同点となる適時打を放った八回のみだ。
先発を予定した中日・大野雄が、試合直前に背中の張りで登板を回避。代わってマウンドに上がり、3回を投げた藤嶋を皮切りに、8人の細かい投手リレーの前に11残塁。フラストレーションがたまる一方の試合展開となり、最後は八回に湯浅がA・マルティネスに2ランを被弾した。
極め付きは四回だ。先頭の島田が四球、続く近本が27試合連続となる安打で無死一、二塁。佐藤輝の二ゴロ併殺打で2死になった後も、連続四球で満塁となった。それでも山本が中飛に倒れて無得点。1イニングに安打と、3つの四球をもらいながら点が入らない。
八回には先頭で出塁した近本が二盗を試み、完全にセーフのタイミングながら、オーバーランしてしまう形で失敗に。直後に佐藤輝の二塁打が飛び出すという、ちぐはぐさだ。
「積極的にはいけているんで。そこにプラスアルファの“何か”を、やっぱり準備の段階で上げてこないと」と指揮官は話す。4連敗で気が付けば最下位・中日と1ゲーム差。月が7月に変わっても、名古屋に場所を移しても続く“負の連鎖”を少しでも早く断ち切りたい。