谷佳知氏 広島バッテリーに待ち球を「読ませなかった」北條の打撃を称賛
「阪神3-2広島」(6日、甲子園球場)
阪神が接戦を制し、広島戦今季初勝利を挙げた。巨人、オリックスで活躍し、シーズン最多二塁打のNPB記録を持つ谷佳知氏が、阪神-広島戦でデイリースポーツの解説を務め、四回2死満塁で左前に同点の2点適時打を放った北條史也内野手(27)について「広島バッテリーに何を待っているのか、読ませなかった」と打席の中での駆け引きのうまさをたたえた。
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0-2で迎えた四回2死満塁。あの場面で北條が何を狙っていたのか、広島バッテリーも計りかねたのではないか。
初球は外角のツーシームが外れてボール。2球目の外寄り低めのツーシームに対し、北條は打ち気をみせずに簡単に見逃した、カウント1-1からの3球目は内角低めの厳しいところへの直球。ボールとなったが、北條は直球を狙っているそぶりを全くみせなかった。
そしてカウント2-1からの4球目、内角への直球に対しては振り遅れてファウルとなった。
二回2死での第1打席はカウント2-2からの5球目、外寄りのスライダーを打って出て、遊ゴロだった。前の打席、そしてこの打席の4球目までの対応を見る限り、直球狙いではなく、変化球が頭にあると読んだのだろう。5球目、広島バッテリーが高い確率で打ち取れると判断して選んだのは、内角への直球。根拠のある選択だったと思う。
悪い球ではなかったが、北條は高めのボールを見事に腕をたたんで振り切り、詰まりながらも左前に落とした。直球待ちだからこそ打ち返せた一打。北條の「読み勝ち」に思えた。
北條本人にどこまでその意識があったかはわからないが、広島バッテリーが待ち球を読み切れなかったのは、確かだ。元々、内角の球をさばくのがうまいバッター。こうしたしぶとい打撃がコンスタントにできれば、左腕に苦手意識がある阪神にとって大きな存在になる。