【金本知憲氏の眼】阪神の天敵、ヤクルト・村上封じには極端なリードも

 阪神前監督でデイリースポーツ評論家の金本知憲氏(54)が1日、ヤクルト・村上宗隆内野手(22)の打撃を分析した。7月31日の阪神戦で見せた3打席連続本塁打を振り返り、配球の読みや修正能力などの「野球脳」の高さを評価。次回以降の対戦に向け、対策として極端なリードで攻めることを挙げるなど、今後の阪神にも期待を寄せた。

  ◇  ◇

 7月31日のヤクルト戦は、阪神としては痛い敗戦となったが、ヤクルト・村上が見事だった。今後も対戦は続くわけで、まず見事だった3本塁打について触れたい。際立つのは、読みと修正能力だ。

 まず渡辺からの1本目は打席の中での修正が光った。2球目の外のボールへの空振りを見ると、サイドスローの投手に対し明らかに腰が引いて、開き気味になっていた。その中で、これではダメだと思いきって踏み込んだのだと思う。4球目は高めのボールだったとは言え、怖がらずに打ったのは見事だった。

 岩崎からの2本目は、読みだろう。梅野に聞いたわけではないので推測になるが、前の打席で踏み込まれて打たれていた中、浜風を考えて少々打球が上がっても入らないだろうと内角を要求したのかなと思う。ただ、それを読んで、スタンドまで運んだ村上のスイングが素晴らしい。

 3本目は2ボールからの石井のカーブだと思うが、少し差し込まれたように見えた。それでもあれだけ押し込んで逆方向に飛ばすパワーはすごいとしか言いようがない。村上のバット1本で勝たせた試合だった言える。読みや修正能力を見ると、打席内での高い「野球脳」を感じるし、配球を読んだ上で、ホームランにできる技術とパワーが村上にはある。

 外のボールは逆方向に打てる。31日の試合では少し離れて打席に立っていた印象も受けたが、インサイドへの対応もうまくなっている。抑えるのが非常に難しいバッターであることは間違いない。そこで今後どうしていくかということになる。

 一つは極端なリードというか、少し表現は良くないかもしれないが、インサイドにぶつけてもいいぐらいのボールをどんどん投げていくとか、徹底して攻める。またはフォアボールはオッケーぐらいの気持ちでもいいかもしれない。ヤクルトとの対戦は今後も続く。まだまだ諦めるところにいってはいけないし、そもそも選手も諦めてないだろうとは思う。まだ可能性はあるわけだから、目の前の試合をしっかり戦ってもらいたい。

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