【岡田彰布氏の眼】安心感あった阪神・伊藤将の投球

 「巨人1-2阪神」(3日、東京ドーム)

 阪神は伊藤将司投手(26)が6回1失点で自身7連勝となる8勝目を挙げ、今季の巨人戦3戦3勝とした。デイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(64)は伊藤将が「制球力の差」で戸郷との投げ合いを制したと称賛。また、七回の攻撃では「気になるさい配があった」とも指摘した。

  ◇  ◇

 巨人・戸郷と阪神・伊藤将は制球力の差が出た。戸郷が三回に中野に適時打を浴びた直球は、大城が外角低めに構えていたが真ん中高めに入った。五回の梅野の本塁打も初球の真ん中高めへの直球だった。

 対して伊藤将は狙ったコースに投げられるし、「低めへ投げる」という意識が感じられた。五回の岡本和の右飛は梅野が構えた外角低めへ投げ切った。少しでも高いと本塁打になっていただろう。六回は吉川に変化球をうまく打たれて本塁打とされた後も、球数を要しながら抑えた。首脳陣からすれば、安心感のある投球だった。

 チームは巨人に連勝したが、気になる采配があった。七回1死一塁で梅野を打たせた場面だ。この回は先頭の糸原が出塁し、代走・熊谷を起用した。さらに梅野が打席に立った時は、ネクストバッターズサークルで伊藤将の代打・ロハスが待っていた。ならば、なぜ梅野に送りバントをさせて1点を取りに行かなかったのか。

 バント後に結果として0点でも構わない。9番まで回せば、八回は1番から始まる。1点を追加すれば、後ろの投手も楽になる。流れを引き寄せることを考えてもらいたい。

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