【藤田平氏の眼】阪神・佐藤輝は重症かも 打撃フォーム崩れている タイミング大事に
「DeNA3-0阪神」(10日、横浜スタジアム)
阪神は打線が振るわず今季19度目の完封負けで3位に転落した。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(74)は、無安打3三振の佐藤輝明内野手(23)の状態について「重症かもしれない」と心配。復調に向けて「練習からストライクしか手を出さないと意識して取り組んでほしい」と願った。
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重症かもしれない。数字を見ると、そういう様子が見て取れる。阪神の4番・佐藤輝が心配だ。8月に入ってわずか3安打。いくらスイングが鋭くても、バットにボールが当たらなければ飛んでいかない。
ホームランは彼の魅力だ。ただ今は、ヒットを打つこと、しっかりタイミングを取るということを大事にした方がいい。4打数無安打で3三振。この日の打撃を見れば、4打席とも同じようなスイングに映った。
具体的には体が流されながら打たされているような内容。バッティングは『タイミング勝負』だ。1打席目で感じ取った相手投手の状態と、調子に重ね合わせたタイミングの取り方など工夫が欲しい。
バットの芯に当たれば本塁打にできるバッター。それでも、昨年に比べて確率は低くなっている。昨年もオールスター後から調子を落としていた。元々、夏場に弱いタイプなのか、違う所に理由があるのか。いずれにしても、フォームが崩れてしまっている。
ボール球に対する空振りも目立つ。ボール球を振れば、打撃を崩したりタイミングを狂わせたりすることだけでなく、相手を助けることにもなる。ボール球でストライクをもらえるのだから。練習からストライクしか手を出さないと意識して取り組んでほしい。
佐藤輝を含めたクリーンアップは9日・DeNA戦から1安打に終わっている。大山や近本らが不在の中、3~5番が機能していない。そのプレッシャーか、打線は思うように得点できない。
首脳陣は調子のいい選手を積極的に先発起用していい。ロハスは前カード広島戦で2本塁打。比較的夏場に強い選手だ。不測の事態だけに、通常より各選手の状態の見極めが重要となる。