阪神・佐藤輝よ周りは気にするな 8月不調も復活『兆し』ある 新井貴浩氏がゲキ
「阪神0-4中日」(12日、京セラドーム大阪)
テルよ、見るべきものは相手だ!デイリースポーツ評論家・新井貴浩氏(45)が、8月月間打率・121と苦しむ阪神の4番・佐藤輝明内野手(23)へ相手投手との勝負に集中する重要性を説いた。自身もタイガースの4番を経験したことからの言葉。チームは今季20度目の完封負けで4連敗、借金1に…。苦境を打破するのは4番のバットだ!!
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4番・佐藤輝は、あくまで相手投手との対戦に集中してほしい。私もタイガースの4番を打たせてもらった経験がある。思うようなバッティングができていない時、どうしても外から目にしたくないもの、耳にしたくないものが入ってくる。それでも、戦う対象は相手投手だということを忘れないでほしい。
彼はまだ2年目。それでもいろいろなものを背負わされすぎているように感じる。今季決勝打の回数は佐藤輝が9度。一方、同じプロ2年目で4番のDeNA・牧は8度。他の成績も佐藤輝が16本塁打、60打点。牧は17本塁打、62打点だ。それほどの違いはない。
今、タイガースは不測の事態で主力選手の離脱が相次いでいる。上位打線を担っていた近本と中野の離脱は痛いが、一番痛いのは5番を任されていた大山だと思う。
大山に代わり、この日は陽川。そして11日まで5番に入った糸原は勝負強いバッターだ。これまでもチームを助けてきた。ただ、クリーンアップという観点から見れば『打点』が大事になってくる。長打を打てる大山は本塁打と打点でチーム2冠。不在となって改めて大山の存在の大きさに気づかされる。
さらに言えば大山が不在となったことで、相手バッテリーからの佐藤輝のマークも厳しくなる。そういった状況の中で戦っていかなければいけない。周りは気にしなくていい。相手との勝負だけに集中してほしい。
この日の打席を見れば『いい兆し』が出ている。初回の打席は外角の変化球を中堅の深い所まで持っていった。少し泳いでいるような体勢だったが、決して泳がされているのではない。自分の対応の中でのものだ。
四回の第2打席はインコース寄りの速球に対し一塁へ強い打球を放ち、強く引っ張れていた。七回の四球も全てのボール球に対して打ちにいきながら見送れていた。
前カードのDeNA3連戦に比べて反応は良くなっている。大事なのは凡打の内容を見ること。ヒットでなくても内容は確実に上がってきている。