【岡田彰布氏の眼】選手任せでは流れは変わらない 阪神はベンチが選手動かし1点取りに行く策を
「阪神0-2中日」(13日、京セラドーム大阪)
阪神・矢野燿大監督(53)は試合後の会見を就任後最短1分強で終えた。今季21度目、1963年の球団ワースト24度にまた一歩近づく完封負け。デイリースポーツ評論家の岡田彰布氏は「流れをつかみにいく」ベンチの采配を求めた。
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コロナ禍で主力打者を欠く阪神は、2試合連続の零敗で26イニング連続無得点となった。チーム安打数1、2位の近本、中野が抜け、チームで一番打点を稼いでいる大山もいない。佐藤輝の状態も悪い。チーム打率リーグ最下位の打線の打力が落ちているわけだから、今はベンチが選手を動かさないと、現状は変わらないだろう。
例えば二回1死一塁、一走・山本、打者・梅野の場面。カウントが整えばエンドランを考えていたのかもしれないが、流れが悪い時は想定通りにならないもの。3球でカウント1-2となり、打たせるしかなくなって二ゴロ併殺打に終わった。カウント1-1からでも仕掛けて、流れをつかみにいくさい配が見たかった。
1点を追う六回無死一塁も糸原を打たせて二ゴロ。送りバントで得点圏に走者を進めてクリーンアップにつなぐべきだろう。八回も先頭の代打・原口が中前打後、代走・江越を送ったが動きはなく、後続にただ打たせた。
ベンチは今の打線に「連打が出る」、「ホームランが出る」と期待してはいけないし、選手任せでは同じことの繰り返しになる。
とにかく今は得点圏に走者を進めて、得点するチャンスを作るべきだ。12日の中日戦では2点を先制された後の初回無死一塁で2番・糸原を打たせたが、今の打線の状況なら序盤で2、3点ビハインドならバントでもいい。ノーヒットでも点は取れる。まず1点を取りにいく策を考えてもらいたい。