なぜ?阪神悲劇の珍プレー 岩崎痛恨の一球は暴投記録されず【解説】

 9回、木下がスクイズをするも岩崎の暴投で勝ち越しを許す(撮影・山口登)
 9回、暴投で勝ち越しを許し、ぼう然と立ち尽くす岩崎(撮影・田中太一)
 9回、岩崎は暴投で決勝点を献上、マウンドで口惜しそうな表情を見せる(撮影・坂部計介)
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 「阪神4-5中日」(14日、京セラドーム大阪)

 阪神が競り負け、6連敗で4位転落となった。

 最終回に悲劇の珍プレーが起きた。守護神・岩崎が1死一、三塁のピンチを招き、打席に代打・木下を迎えた。カウント1ボール2ストライクから、木下がスクイズを敢行。岩崎は察知したのか、それともすっぽ抜けたのか、ボールを高めに投じた。木下はジャンプしながらバットを出したが、ボールは上を通過。捕手の梅野も飛び上がって反応したが、捕球できずにボールは後方へ転々。三走・三好が一気にホームインした。まさかの珍プレーで決勝点を許した。

 このプレーの記録は暴投ではなく、重盗。なぜ暴投ではないのか。

 ◆野球規則9・07(a)

 「走者が投手の投球に先立って、次塁に向かってスタートを起こしていたときは、たとえその投球が暴投または捕逸となっても、暴投または捕逸と記録しないで、その走者には盗塁を記録する。

 盗塁を企てた走者が暴投、捕逸のために余分の塁を進むか、他の走者が盗塁行為によらないで進塁した場合には、盗塁を企てた走者に盗塁を記録するとともに、暴投または捕逸もあわせて記録する。」

 今回のケースでは一走・土田、三走・三好が投球に先立ってスタートを切っていたこと、土田は三塁まで進まなかったことで「暴投」にはならなかった。

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