【岡田彰布氏の眼】阪神・西勇 中田を封じた徹底した内角攻め 2戦目以降にも好影響

 1回、西勇は中田を見逃し三振に打ち取る(撮影・佐々木彰尚)
 9勝目を挙げ喜ぶ西勇(撮影・佐々木彰尚)
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 「巨人0-4阪神」(19日、東京ドーム)

 阪神の西勇は中田を徹底した内角攻めで3打数無安打に封じた。初回2死一塁は4球連続の内角シュートで見逃し三振。四回2死は初球に内角チェンジアップを見せた後、外角直球で三ゴロに仕留めた。七回1死は四球を与えたが、6球中4球が内角シュートだった。

 対照的に、中田と同じく一発がある岡本和には外角中心の攻めで4打数無安打。今の岡本和は外角の球にバットが届いていないし、外角一辺倒で抑えられるぐらい状態は良くない。だからこそ、西勇は今の巨人打線の中でキーマンと見た中田に、極端な攻めで抑えにいったのだろう。

 あそこまで徹底的に内角を突かれると、打者は意識してしまうもの。この試合での投球は、2戦目以降に登板する投手にもいい影響を与えるだろう。

 内角攻めは“紙一重”だ。少しでも甘く入ると、狭い東京ドームだけにスタンドに運ばれる可能性が高まる。ただ、西勇が徹底して内角を突けるのは、コントロールに自信あるから。今年一番の内容だったし、意味のある完封勝利だった。

 打線は佐藤輝が2本の適時打を放った。七回無死二塁の先制左前打は詰まり気味で、八回2死一、三塁の中越え2点三塁打も状態が良ければ本塁打だっただろう。

 それでも調子が悪くても走者がいる場面で適時打が出た事実が大きく、結果が出たことで気分は変わるはず。大山が帰ってきたことで少し余裕も生まれるだろうし、きっかけにしてもらいたい。

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