阪神・近本 2号含む4安打で打率3割復帰 セ1位13度目猛打賞&村上に並んだ136安打
「阪神8-0広島」(1日、甲子園球場)
“らしい”打球だった。低く、鋭いライナーが右翼ポール際へ伸びていく。1点リードで迎えた五回1死。阪神・近本光司外野手(27)は「(それまで安打を)2本打ってるんで、いったろかな」と、内角高めの直球を狙い澄ました。「頼む、入ってくれ」と祈った打球はそのままスタンドイン。7月8日・ヤクルト戦(神宮)以来、約2カ月ぶりの2号ソロ。甲子園では21年10月19日・ヤクルト戦以来の一発だった。
「狙い球を絞って、しっかり強いスイングすることを心がけました。(甲子園では)いつぶりか忘れましたけど、走りながら『あー、帰ってきたな』というか、いい追加点になったなと思いました」
試合後、室内で行われたヒーローインタビューでは満面の笑み。隣の才木と共にチームの3連勝を喜んだ。
初回2死は中前へチーム初安打となるクリーンヒット。三回1死一塁は左翼線へ2本目の安打を放つと、得意の固め打ちモードに突入だ。五回の2号ソロで今季13度目の猛打賞。雨脚が強まった六回1死一、二塁は三塁後方にポトリと落とし、21年4月18日・ヤクルト戦(甲子園)以来の1試合4安打をマークした。
「雨が結構降ってたんでみんなしんどいなと思いながら打席に入ってたんですけど、ラッキーですね(笑)」
これでシーズン136安打となり、リーグトップのヤクルト・村上に並んだ。打率も再び3割に乗せ「大事にしている」という9月最初のゲームで絶好のスタートを切った。
8月中旬に新型コロナウイルスに感染。思いがけない形で10試合の欠場を余儀なくされた。個人成績は「諦めているところもある」とポツリ。ただ、安打数だけでなく、盗塁数もトップを走る。残りシーズンのモチベーションは「何とかヒットを打つ、何とか勝ちを付けさせる…」という思い。リーダーらしい全力プレーで、チームを引っ張っていく。