【中田良弘氏の眼】勝たせたかった 持ち味生かした阪神・西勇の素晴らしい投球
「阪神2-2巨人」(2日、甲子園球場)
無念の延長十二回ドローに終わった阪神。CS進出を目指す残り18戦、デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「らしい野球」を期待した。
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阪神にとっては痛い引き分けとなったが、西勇は持ち味を生かした素晴らしい投球を展開した。丁寧に低めへ球を集めてゴロを打たせるスタイルで、四球も初回の中田への1つだけ。安定感のある内容だった。
それだけに西勇に白星を付けたかったという試合ではある。2桁の10勝に乗せておくことで、この先の登板も楽に臨むことができる。負けられない試合が続くだけに、そこは悔やまれるところだ。
ただ、九回以降は巨人に流れが傾いた中で、救援陣の安定感は光った。九回に同点とされたケラーは、この日は少し抑えたい気持ちが強すぎて、直球をストライクゾーンに集めすぎてしまった感はある。カーブなどいい変化球を持っているだけにもったいなかった。
それでも、これまでと変わらず球に強さはあった。今後もケラーは抑えで固定するべきだろう。残り18試合となったが、この投手力を中心とした阪神らしい野球で勝利を積み重ねていくしかない。