阪神、糸井魂見せてくれ CS争いデッドヒート4位広島に敗れ1差、14日負ければV逸
「阪神3-6広島」(13日、甲子園球場)
CS進出を目指す阪神は4位・広島に敗れ、1ゲーム差に詰め寄られた。阪神・青柳晃洋投手(28)が6回5安打5失点で4敗目を喫し、6試合連続で白星なし。シーズン終盤でエースがまさかの大失速だ。5位・巨人も1ゲーム差で迫ってきており、CS争いは混沌。きょう敗れれば優勝の可能性も完全消滅する。
打球方向を見つめながら、青柳はぼう然と立ち尽くした。1-2で迎えた六回、1点を失い、なお1死二、三塁から8番・羽月に左中間へ2点二塁打を献上。ビハインドが4点に広がり、スタンドに悲鳴が響き渡った。
エースと呼ばれるからこそ、勝たなければいけない試合だった。CS進出を争う4位・広島との大一番。「投げた試合で勝てれば(順位が)落ちることはない」。登板前日、強い覚悟と共に奮い立ったが、三回にバント失敗するなど、気合が空回りしてしまう。
直後の四回は先頭・西川への四球をきっかけに1死一、三塁とされ、小園の二ゴロの間に先制点を献上。さらに併殺を狙った遊撃・中野が一塁へ悪送球。この試合2つ目、リーグワースト79個目の失策で再びピンチを広げると、磯村に中越え二塁打を浴び、手痛い2点目を失った。
不運だったとはいえ、矢野監督は「踏ん張ってほしいというのが今のヤギ(青柳)の立ち位置」と指摘した。
「やっぱり自己責任というか、そういう考え方でやってると思うし。他の点の取られ方も先頭に四球を出したり、粘りきれなかったところを、ヤギ自身も反省してると思う」
6回5安打、2戦連続となる今季ワーストタイ5失点で4敗目。6試合連続白星がなく、シーズン前半の無双ぶりを思えば信じられない失速ぶりだ。防御率は1・86から2・02に悪化。同2位の西勇は2・09と肉薄しており、13勝以上が条件の最高勝率を含めて、タイトル争いは混沌(こんとん)としてきた。
今季はあと2試合に登板する見込み。ポストシーズンを見据えてもエースの復権は不可欠だ。指揮官も「順調にいったところ、いかないところはシーズンではある。個人記録もあるし、チームのためにも頑張ってくれたら」と奮起に期待した。
ただ終戦の時は迫っている。チームの連勝は2でストップし、4位・広島、5位・巨人とは1ゲーム差だ。14日・広島戦に敗れると、優勝も完全消滅してしまう。虎が土俵際まで追い詰められた。
◆クライマックス・シリーズ進出条件 シーズンの勝率上位3チームが進出。ただし勝率が並んだ場合、以下の条件で決める。①…直接対決で勝ち越しているチーム。②…①で並んだ場合、リーグ内対戦成績(各125試合)の勝率が上のチームが上位。③…①②でいずれも並んだ場合は、前年度上位のチーム。