阪神連勝で見えたCS ヤクルトには脅威の存在か 高代氏「短期決戦は投手力」
「ヤクルト1-2阪神」(28日、神宮球場)
阪神が僅差で逃げ切り単独3位。巨人、広島とのCS争いで抜け出したが、優勝したヤクルトにとって最大の脅威はどこか。2位のDeNAかそれとも…デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「CSを勝ち抜けるだけの投手力をもつ阪神」の名前を挙げた。
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阪神は残り1試合。巨人は2試合。広島は3試合。日程的には10月2日までにCS争いは決着するが、最後まで混沌としているだけに目が離せないね。
最終的にどこが3位を確定しても、シーズン負け越しでのCS進出。勝率が5割を切るチームにその資格はあるのかといった声も耳にするが、この制度がある限りは全力で3位を目指さないといけないでしょう。
さて、このCS争いだが、私がヤクルトの一員だったら、阪神に出てこられるのが一番いやだね。その理由は投手力にある。
阪神の先発投手は最多勝がほぼ確定している青柳を筆頭に伊藤将、西勇、西純、才木、藤浪、ガンケル…と簡単に名前が上がるほど人材が豊富だ。
仮にCS第1ステージで主力3枚を使っても、第2ローテがしっかり控えているから、第2ステージのローテーションに不安がない。もつれた展開になれば、勝負どころの後半から再び第1ローテが先発してくる。
CS第1ステージから戦うチームは投手陣が弱いとなかなか勝ち上がれない。阪神は2014年に2位から日本シリーズに進出しているが、今年の投手陣はさらに強力だ。
リリーフ投手も岩貞や浜地、ケラーから湯浅につないで岩崎へ。これも安定していて大崩れがない。
今季のここまで(9月28日現在)のチーム別対戦成績を見ると、ヤクルトは阪神に13勝11敗で勝ち越している。広島にも14勝8敗1分で大きく勝ち越し。巨人には11勝13敗1分で負け越しているね。
だが、一気に勝負がつく短期決戦の場合、長丁場のシーズン中の対戦成績はあまり参考にできないと思うね。ただし、個人の対戦データは無視できない。
例えば村上なら、阪神戦は対戦カード別で最少の7本塁打。打率も3割を切っている。現状は本塁打記録の重圧もあって不振をかこっているが、打撃に関して言えば、こういう波があるから怖い。
また青柳が先発する試合に山田が外れるなど、苦手にしている様子もうかがえる。
ではなぜ阪神は優勝できなかったのか。そういう疑問が浮かんでくるが、私も不思議でしかたがない。開幕前の優勝予想を“阪神”にしていたけど、見抜けなかったね。
とにかくCSの権利を取って勝ち抜いていけば、失望しているファンも喜んでくれるはず。
気は早いが、日本シリーズまで制することになれば、セ・リーグで初となるペナントレース3位からの日本一。この“下克上”をやってのけてもおかしくないチームではあるけどね。