阪神・藤浪のメジャー挑戦決定 レッドソックスなど複数球団が興味示す

 阪神は17日、藤浪晋太郎投手(28)のポスティングシステムを利用した今オフの米大リーグ挑戦を容認すると発表した。兵庫県西宮市の球団事務所で取材に応じた藤浪は球団に感謝し、「胸の高鳴りと少々の不安と、いろいろあります」と率直な思いを明かした。今年のポスティング申請期間は11月1日から12月15日まで。メジャー契約を勝ち取り、念願の世界最高峰の舞台へと羽ばたいていく。

 ついに夢への入り口に立った。阪神での10シーズンを終え、昨オフに願い出ていたメジャー挑戦が認められた。藤浪は「一つ上のレベルに飛び込むというのはプロ入団の時以来。不安と高鳴り、両方ありますね」と素直な胸の内を明かした。

 「世界最高峰のところで勝負してみたい」と球団に直訴して約10カ月、熱い思いが伝わった。「ダメもとで聞いた部分もあったので快くというか、『頑張ってこいよ』と背中を押してもらって、本当に感謝しかない」と球団の厚意に喜びをかみ締めた。

 本場アメリカの野球の魅力については「力と力の勝負のイメージ」と答えた。「力勝負できるのは自分としてはすごく楽しみではあるので、自分らしくパワーピッチングで押し切れたら」と希望に胸を膨らませた。

 単なる憧れだけではない。「自分の持ってる良いものを出せれば勝負できる」と自信も持ち合わせる。「スプリットもそうですし、真っすぐは100マイル(約161キロ)近く投げられるし、縦系の変化がある。あと、長身も評価してもらっている要素ではあるそうなので」と自身のストロングポイントを挙げた。

 現時点でレッドソックスなど複数球団が興味を示しているとされる。既にブルージェイズ・菊池らを担当する大物代理人のスコット・ボラス氏の事務所と契約済みで、MLB球団とはメジャー契約にこだわる。起用法は先発希望だが「基本的にはあれこれはなくて、その立場の選手じゃないので。提示されたところでいい条件があれば、そこと交渉させてもらいたい」と前向きな姿勢で臨む構えだ。

 入団1年目から4年間で42勝を挙げたが、以降は制球難に苦しみ10年間で通算57勝にとどまった。優勝も経験できなかったことで「海外FA権を取り、自分の力で行くのがベスト。タイガースでいい成績を残して、優勝させて行くのが一番だった」と心残りもある。

 それでも来年4月で29歳になる藤浪は「若いうちに挑戦できたらと思っていた」と夢を優先した。移籍がかなわなかった場合は来季も阪神でプレーする見込みだが、同学年のエンゼルス・大谷、カブス・鈴木らとの対決を思い描きながら、太平洋を渡る準備を進める。

 ◆藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日生まれ、28歳。大阪府出身。197センチ、98キロ。右投げ右打ち。投手。大阪桐蔭から2012年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の13年3月31日・ヤクルト戦(神宮)で初登板初先発。13年から3年連続2桁勝利。21、22年開幕投手。最多奪三振(15年)。17年WBC日本代表。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス