【ドラ1森下翔太の素顔2】中大・清水監督「プロにいける子だと思って使い続けた」
岡田新体制で18年ぶりのリーグ優勝を狙う来季に向け、阪神は中大・森下翔太外野手(22)をドラフト1位指名した。森下ってどんな男?デイリースポーツ・トラ番が黄金ルーキーの素顔に迫る。
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4年間指導した森下が阪神からドラフト1位の指名を受けた瞬間、中大・清水達也監督(58)は安堵(あんど)の表情を浮かべて3回手をたたいた。自身も昔は阪神ファン。「うちから(阪神に)送り出すことはできていなかった。やっといける子が出たのでうれしいです」と教え子のプロ入りを喜んだ。
入学時からプロにいける逸材であると信じた。「バットが強く振れて逆方向に飛ばせる。いい選手だなと思いました」。高校通算57本塁打の才能にほれ込み、1年春からリーグ戦で起用。早速ベストナイン獲得、大学日本代表にも選出され、森下の実力を確信した。
ただ、打てなくなると気持ちが沈み、声を出さなくなる。起用し続ける中で、不安定なメンタルに課題を感じていた。「打てなかったら下を向いたり、元気がなくなって。チームの中心選手だったから周りにも影響が出る」。下級生でありながらも起用されることで、森下が背負うプレッシャーも理解していた。それでも、「態度に出すな」と一喝することも。メンタル面での成長を促し続けた。
4年時からは副主将に任命。「プレーでもそうだし(周囲に)かける言葉が変わってきた」とチームをけん引する立場を任せたことで、成長を遂げた。後輩を指導する姿も、より目立つようになった。「プロにいける子だと思って(試合で)使い続けていましたから。それだけの選手だった」。辛抱強く指導した成果が実を結んだ。
「人気球団なので、ファンの方から応援される選手になってほしい」。心技体を整え、プロの世界に飛び込む森下。清水監督は、たくましくなった教え子の活躍を心から願った。
◆森下 翔太(もりした・しょうた) 2000年8月14日生まれ、22歳。横浜市出身。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。外野手。日限山小1年から野庭日限フェニックスで野球を始める。日限山中時代は戸塚シニア。神奈川・東海大相模では3年時にセンバツ4強。中大では1年春からレギュラーで、同年夏に大学日本代表入り。東都大学リーグでベストナイン2度。大学通算9本塁打。