阪神【ドラ1森下翔太の素顔3】ともに刺激し合ったライバル ヤクルト5位指名北村との固い絆
岡田新体制で18年ぶりのリーグ優勝を狙う来季に向け、阪神は中大・森下翔太外野手(22)をドラフト1位指名した。森下ってどんな男?デイリースポーツ・トラ番が黄金ルーキーの素顔に迫る。
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「こいつには勝てない」-。ヤクルトから5位指名された中大のチームメート・北村恵吾内野手(21)は、初めて見る森下の打撃に圧倒された。軽々と白球が飛んでいく。「バッティングを見て、やっぱり半端ないと思いましたね。飛距離とか全部がすごかった」と目を丸くした。
近江高では3度甲子園に出場し、高校通算45本塁打の実力で中大に進学。森下と共に1年春からリーグ戦に出場し、下級生ながらチームの中心を担ってきた。4年生になると主将に任命され、森下が副主将。チームの責任も2人で背負った。
下級生の時の森下は調子の波が態度に出て、先輩から怒られることも多かった。「全力疾走とかもしなくなりますし、ヤバイな、こいつって思いましたね(笑)」と北村。それでも、森下が副主将になってからは一変、率先してチームの先頭に立つようになり、「キャプテンをやっていて、いろいろ助けられた部分が多かったですね」と頼れる存在となっていた。
練習後の自主練習は1年生の頃から2人の大事な時間。「お互いいいところ、悪いところがわかっている」と打ち込みをする中でアドバイスを送り合い、打撃の調子を整えた。「的確に言ってくれます」と、過ごした時間も長いだけに助言は正確。森下を“打撃コーチ”としても信頼していた。
これからは同じセ・リーグでしのぎを削り合うことになる。「(森下の)結果は気になると思うし、刺激になる。阪神、日本を代表するバッターになってほしい」。ライバルになっても、固く結ばれた絆は変わらない。2人で一流への道を駆け上がる。
◆森下 翔太(もりした・しょうた) 2000年8月14日生まれ、22歳。横浜市出身。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。外野手。日限山小1年から野庭日限フェニックスで野球を始める。日限山中時代は戸塚シニア。神奈川・東海大相模では3年時にセンバツ4強。中大では1年春からレギュラーで、同年夏に大学日本代表入り。東都大学リーグでベストナイン2度。大学通算9本塁打。