阪神・西純は2桁勝てる 岡田監督「もう1人ほしいな」100球でも落ちない馬力べた褒め
「阪神秋季キャンプ」(7日、安芸)
阪神・西純矢投手(21)が7日、ブルペン入りし、秋季キャンプ自身最多となる105球の熱投を見せた。初めて投手の背中側から投球を見守った岡田彰布監督(64)は、背番号15の馬力を絶賛。「2桁は勝てる力あると思うよ」と来季の先発ローテ入りとフル回転を期待した。
どんどんとミット音に熱がこもる。1球、また1球と衝撃が走るブルペン。これまで捕手側に腰かけていた岡田監督が立ち上がった。今キャンプで初めて投手側へ移動すると、じっと西純をチェック。好評価を口にした。
「そら、この中では一番いいやろ、なあ。もう1人ぐらいほしいな、西(純)が」
とりわけ「(力強さが)落ちないやんか。逆に上がっていくやん」と、100球以上を投じた中でも衰えない球威を絶賛。「体とかホンマ大きなって、スタミナもあるし。故障もそんな(ない)。ちゃんと理にかなった投げ方してるんやろうな。他の投手にはない(持ち味)。2桁は勝てる力あると思うよ」とうなずいた。
指揮官からの言葉を伝え聞いた西純は「ようやくフォームもしっくり来始めて、自分のバランスを意識しながら投げられた」と笑顔。この日は30球をめどに考えていたというが「だんだん良くなってきて。行けるところまで行ってみようかなと思って、気付いたら」と明かした。フォームの再現性をテーマとする中、確かな手応えを感じている。
理想は「先発完投型」だ。今季は14試合に登板して1完投のみだったが、8月中旬の1軍に再昇格する直前の2軍戦では2試合連続完投。「あの時は投げさせてくださいって言って、120球くらいまで行きたいと思いながら投げた。1軍でもできるようにしたい」と力を込める。
誰にも負けない武器でもある。「朗希(ロッテ・佐々木)みたいにすごいボールは投げられないですし、奥川(ヤクルト)みたいにコントロールが良いわけではないですけど、自分はタフさがある」。同僚の及川を含め、高校時代に「ビッグ4」と称された同世代投手の名前を挙げ、自信をのぞかせた。
「今年いろんな経験をした分、来年はもっと違う感じで投げられるのかなと思う」とまだまだ進化し続ける21歳。充実の秋を過ごし、さらなる飛躍を遂げる。