阪神・岡田監督 佐藤輝に強烈ダメ出し 直接指導なし「段階じゃない」三塁固定撤回も
「阪神秋季キャンプ」(12日、安芸)
最終的には本人次第、変わらなアカンよ-。阪神の岡田彰布監督(64)が12日、この日から秋季キャンプに合流した佐藤輝に、強烈な“ダメ出し”を行った。合流初日は直接指導を行わず、「今そないしてする段階じゃない」とバッサリ。主に下半身の強化を求め、全試合フルイニングで三塁に固定して出場するプランも、白紙に戻す可能性を示唆した。
佐藤輝を語る、岡田監督の表情が険しくなっていく。「そういう予定やったけどな。今日の動き見とったら分からへんわ。いや分からん分からん、ホンマに」。最後には、明言していた『三塁固定』の方針を撤回する可能性まで示唆した。
快晴の土曜日。午前中からスタンドを埋めつくすファンが熱い視線を送る。一日2人ずつが行うランチ特打。登場したのは、虎が誇る長距離砲の大山と佐藤輝だ。
154スイングで柵越え41本。大山が次々とアーチを描く一方で、佐藤輝はマシン相手に空振りするなど悪戦苦闘する。後半には、打撃投手相手にバックスクリーン直撃弾を放つなど盛り返したものの、柵越えは157スイングで21本。2日前まで日本代表として戦い、これがキャンプでの初打撃。充実のキャンプを送る大山との差が、如実に表れる結果となった。
佐藤輝の打撃改造を予告していた岡田監督も、ランチ特打中は間近で見守るだけで指導はなし。結局、最後まで静観する形でこの日は終了した。その理由が衝撃だ。「見て思えへん?素人が見ても分かると思うで。打球の強さとか、守備の動きにしても。今そないして(指導)する段階じゃないよ。(キャンプ残り)1週間じゃ無理やな」とバッサリ。指導する段階にも至っていないと切り捨てた。
酷評の裏には、鮮烈だったルーキーイヤー前半の活躍を知るからこその歯がゆさもある。「どっちかっていうと悪なってるよな。飛距離とか」と指摘。「自分の持ち味に飛距離という、人にはないすごいもんがあるわけやんか。それをやっぱり生かさなあかんわな」とうなずいた。
指揮官が求める最大の改善点は下半身。「守備でもそうやわ。どっしり感というかな。下半身でもっと、土をかむみたいな力強さとかな」と体づくりから始める必要性を説く。
まずは本人が、危機感を抱かないことには始まらない。「“これじゃあかん”と思うと思うよ。どういう自覚を持ってやるかやと思うで。最終的には、そら本人次第やからな」とたきつける。「オフが大事やな。はっきり言うて」-。岡田構想の根幹を、揺るがしかねない事態を避けるためにも。強烈な“愛のムチ”で、佐藤輝の奮起を促した。