“素の岡田彰布”でやってくれ 早大野球部同級生・宇佐美秀文氏「僕、岡田に強いんです」

 18年ぶりの“アレ”を目指す岡田彰布監督(65)へのエール企画「アレが見たい」。第6回は早大野球部の同級生で、現在は愛媛の県立高・小松で野球部監督を務める宇佐美秀文氏(65)。早大時代には副主将として、主将だった岡田監督を支え、現在も親交を持つ。高校野球界の名将が「同級生・岡田彰布」を語り、活躍を期待した。

  ◇  ◇

 去年あたりから、もう一度監督をやりたい、という話はしていました。この年でよく引き受けた。ぜひ頑張ってほしい、それが本当に正直な気持ちです。

 先月の安芸キャンプに行って会ったときも、相変わらずぐずぐず言いながらやってましたね(笑)。周りが全員年下になって、すごく気を使っているなと。僕はプロのことは分かりませんが、岡田がもう一回やろうとした決意に心から拍手を送りたい。だから僕も負けずに、もちろん岡田の方が大変やけど、彼が頑張っている姿を見て自分も心を奮い立たせてやろうかな、と思いました。

 印象に残っているのは大学での初バッティング。僕はキャッチャーをやっていたんですが「打たんのかな~」と思ったら、パーンとバットが出てくる。呼び込んで呼び込んで、これはものが違うなと、パッと見てそう思いました。バットが内から出ているから引きつけられる。僕らは前で前で打て、と習った世代ですから、衝撃でした。

 主将としては「率先垂範」。背中で引っ張る、多くは語らないけど、ここぞというところで打つし、本当に頼りになる。ミーティングの発言も的を射ていた。有名になっても偉そうにすることもなく、逆に隠れてこそこそすることもなかった。

 プロになっても、僕らの中ではまったく変わらず、岡田彰布は岡田彰布でした。こんなこと言ったら怒られるけど、僕、岡田に強いんです。みんなえらい遠慮して、早稲田の同期会でも「監督、監督」って言うんやけど、なんで「監督」やねん。「岡田」でええやろって(笑)。

 昔、岡田と僕の結婚式がかぶったんです。昭和57年12月11日、本当にドンピシャで。まさか岡田に日取りを変えろと言えないし、しょうがないと僕が1週間早めた。そしたら今度は他の同級生とかぶって。けど岡田は、わざわざ変えてくれたんやから宇佐美の結婚式に行くわ、と。自分のところの嫁入り道具が入る日やったのに、わざわざ来てくれた。当時新聞にも記事が出たんじゃないかな。

 僕が甲子園に出るたびに差し入れもしてくれています。今治西でセンバツに出た時、3年連続の最初の年でしたが、初心者マークのついたベンツで旅館の前に来てね。生徒たちは「ベンツや、ベンツ」、「岡田のベンツや」って、写真撮ってました(笑)。

 采配どうこうよりも、素の岡田彰布でやってくれたら、僕らの励みになる。何年するかはわかりませんが、彼の姿を見て奮い立っていきたい。おそらく同級生はみんなそう思っているでしょう。

 ◆阪神・岡田監督「大学を卒業した後もずっと付き合いがあるし、気が置けない仲間の一人やな。野球に対しては熱い人間やで。アマ(高校野球界)でずっと生きてきたわけやからな」

 ◇宇佐美 秀文(うさみ・ひでふみ)1957年10月2日生まれ、65歳。愛媛県今治市出身。今治西から早大へ進学。早大では2年春からベンチ入りし、3年時から正二塁手としてプレー。1981年に川之江へ赴任し、監督に就任した83年夏に甲子園初出場。今治西時代の95年春、元ヤクルトの藤井秀悟を擁して4強入りし、99年春も4強。小松では2014年夏に同校初の甲子園出場を果たす。

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