松村邦洋 阪神監督名字の2文字目“ダ”なら“アレ”が来る 岡田さんは指導者育成も使命
18年ぶりの“アレ”を目指す岡田彰布監督(65)へのエール企画「アレが見たい」。第9回はタレントの松村邦洋(55)の登場です。骨の髄まで虎に染まり、デイリースポーツでもおなじみの存在。岡田監督への期待はもちろん、後継者育成の観点から、1軍打撃コーチへの就任が内定している今岡真訪氏(48)への思いも寄せた松村。独特の優勝の“法則”も披露し、エールを送りました。
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新監督に岡田さんがなられると聞いた時はビックリしました。若い人になるんじゃないかなと思っていたんですよね。今岡真訪さんとか藤川球児さんとか…。そこでの岡田さん。目いっぱい弓を引いて、満を持して帰ってきたという自信がみなぎっていて、どういう野球をするのか楽しみです。
岡田さんは本当に野球が好きなんだなって感じます。2軍監督をされていた2003年の秋、その年で戦力外になった曽我部(直樹)選手とかをギリギリまで教えているんですよ。なかなかできることじゃない。1軍監督の時も喜田剛選手や浅井良選手を「2、3年後に上がってくるための底上げだから」って熱心に教えられていた。今年の秋のキャンプも、そういう気持ちでやられていたんじゃないですかね。
1次政権では辞めなくてもいい成績で辞められた。そこから14年がたったんですけど、その間にオリックスの監督をされた。違うチームを見てきた方は強いですよ。徳川幕府を立て直したのも直系ではなく御三家の吉宗ですし。こんなことを言うと川藤(幸三)さんから電話がかかってきそうですけど(笑)。阪神の中で勉強するのも大事ですけど、よそを見るっていうのも大事かもしれませんね。
岡田さんには、次の指導者を育てるという使命もあると思うんです。そういう意味では今岡さんの存在が大きい。
今岡さんは野村(克也)さんに対する悔しさがあったんですけど、変わられたなと感じました。僕は今岡さんの前では野村さんのモノマネだけはしないようにしていたんですけど、ラジオ番組でご一緒した時に「松村さん、僕いいですよ。今は野村さんへの感謝ばかりです。若い頃は勘違いばかりしてました」って。落ち着いた時に一巡して大人になった時って強いと思う。ロッテでも修行されて、こちらも満を持して帰ってきた。いい指導者になるんじゃないかなと思います。
前の優勝から17年がたちました。阪神で優勝や日本シリーズまで進出した生え抜きの監督は、名字の2文字目に“ダ”がつく内野手なんです。吉“田”(義男氏)、岡“田”、和“田”(豊2軍監督)。「オレは野球ファンやで」って忖度(そんたく)なくズバズバ言ったり、選手を「バル(バルディリス)」「ミツ(高橋光信)」とかあだ名で呼ぶ、解説での“岡田節”を聞けなくなるのは寂しいですが、来年は18年ぶりの“アレ”が来るような気がしますね。
◇松村 邦洋(まつむら・くにひろ)1967年8月11日生まれ。55歳。山口県出身。学生時代、アルバイト先のテレビ局で片岡鶴太郎の目にとまり芸能界入り。高田文夫氏のモノマネ「バウバウ」でブレーク。モノマネはビートたけし、掛布雅之氏をはじめレパートリー多数。野球好きで知られ、10年以上にわたりデイリースポーツで特命応援団長を務め、「週刊タイガース新聞」などのコラムを連載。芸能界屈指の歴史通でもある。