JRA清水久詞調教師 阪神・岡田監督に期待したい「勝つための決断」

 18年ぶりの“アレ”を目指す岡田彰布監督へのエール企画「アレが見たい」。第11回はJRAでリーディング2位につける清水久詞調教師(50)。物心ついた時からの阪神ファンで、今季は初観戦で虎の初勝利に立ち会ったという。「調教師」と「プロ野球の監督」という立場を重ねつつ、岡田監督の決断に期待を寄せた。

  ◇  ◇

 幼少の頃から、気がついたら阪神ファンでした。周りも阪神ファンしかいなかった。当時、町内会の運動会で借り物競争があったんです。「ロッテファン」「ヤクルトファン」探してこい!って絶対にいないですから。町内も阪神一色で盛り上がっていました。リーグ優勝の時は中学生で熱狂的に応援していました。独身寮の前で選手を待っていたこともありましたよ。

 家族全員が阪神ファンです。子供3人と、かみさんはファンクラブに入っていますし、年に10回は甲子園へ応援に行っています。今年はタイガースの初勝利を生観戦しました。あと、19年のオールスターで近本のサイクルヒットとか。それに、阿部慎之助の現役最後の甲子園。藤川球児との全球ストレート勝負はしびれましたね。

 阪神ぐらいの人気球団になると、毎日スポーツ紙で扱われて、1面でたたかれるじゃないですか。負けても1面、勝っても1面。打ったら1面、打たれたら1面。神経を使うだろうし、かなりのプレッシャー。注目されるなか、結果も出さないといけない。監督は大変だと思います。

 最終的には結果。結果を出すにはどうするか。情も必要でしょうし、スパッと切る部分も必要で。同じ勝負の世界なのでよく分かります。野球でいえば、いい場面で代打を送る時、代えられるバッターの気持ちを考えるとねぇ…。でも、割り切らないといけない。僕ら調教師は②②着と来ているジョッキーを、確勝でいくために他のジョッキーに代えるっていう。似たような気持ちじゃないかな。監督も調教師も、最後は勝つために行う最後の決断ですからね。

 岡田さんと言えば選手時代の3割、30本、セカンド、5番。当時はバース、掛布、岡田のクリーンアップでスゴい打線でした。あの時の年間本塁打って180本を超えていませんでした?監督になってからはJFK。六回終わって勝っていたら、負ける気がしなかったですよね。この3人は打たれへん、っていう。

 来年の期待も大きいです。打つ方は佐藤輝に近本。若手に引っ張ってほしいと思う。投げる方は岩貞でしょう。あと外国人はバースみたいなのが来ないですかね。今年もよく優勝争いまで来ましたし、底力はあるんです。岡田さんは実際“アレ”していますし、またいい野球を見せてほしい。もちろん、“アレ”を期待しています。

 調教師の成績でいえば、この時期に、この位置にいることはなかなかないこと。僕も頑張ってリーディングを目指します。

 ◆清水 久詞(しみず・ひさし) 1972年7月4日、大阪府出身。09年JRA調教師免許試験に合格し、同年6月に厩舎を開業。13年ダービー卿CT(トウケイヘイロー)で重賞初勝利、19年コーフィールドC(メールドグラース)で海外G1初制覇。15年に菊花賞を制してG1初制覇となったキタサンブラックは、16、17年にJRA賞年度代表馬に選ばれた。今年はホッコーメヴィウスで障害重賞3勝を挙げるなど、現在、調教師リーディング2位と大躍進。

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