殿堂入りのランディ・バース氏「阪神タイガースは日本一のチーム」【コメント全文】

 ビデオメッセージで野球殿堂入りの喜びを語るランディ・バース氏(撮影・西岡正)
 バース氏への祝辞を述べる吉田義男氏(代表撮影)
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 1985年の阪神日本一に貢献した当時の主砲、ランディ・バース氏が13日、野球殿堂入りを果たし、野球史に名を刻んだことに対してコメントを寄せた。以下全文。

 「日本の野球殿堂に選ばれてとても名誉を感じています。野球ファンの皆さまありがとうございます。阪神タイガースでプレーできたことに感謝しています。阪神タイガースは日本一のチームだと思っています。そしてファンも日本一です。

 私をスカウトしてくれた安藤統男監督と本多達也通訳にも感謝しています。彼らは私のプレーを見るために3Aデンバーなどアメリカ各地に来てくれました。安藤さんは私にとって日本での最初の監督で、常に近くで支えてくれました。私が今この場所にいるのは安藤さんと本多通訳のおかげです。

 タイガースは素晴らしいチームでした。掛布雅之、岡田彰布、真弓明信とホームランバッターがそろっていました。チーム全員との関係も良好でした。特に掛布、岡田、真弓とは多くの時間を一緒に過ごしました。もちろん、川藤幸三も。阪神タイガースでの経験は素晴らしかった。とても楽しかったです。

 安藤監督の退団後、吉田義男さんが監督に就任しました。彼の采配はいつも的確でした。状況に応じた代打起用、投手陣の起用法も素晴らしかった。1試合平均のチーム得点は7点に達していた。そんな中、投手陣を見事に整備しました。1985年我々を日本一へ導いた偉大な監督、とても尊敬しています。どうもありがとうございます。とても感謝しています」

 【質疑応答】

 -日本で成功できた理由は?

 「1年目はスロースタートだったのですが、安藤さんがずっとそばについてくださり、いろいろなアドバイスをくれました。それと一番大きかったのは、並木輝男打撃コーチの存在です。私は左打者としてライトに引っ張る事はいつもできたのですが、並木コーチはコースに逆らわずセンターからレフトへ打つことを辛抱強く教えてくださいました。並木さんは有能な打撃コーチであり、素晴らしい人間でした。今の自分があるのは並木コーチのおかげだと思っています。レフトから左中間にホームランが出るようになり、タイトルを取れるほどの打者に成長できたと思っています」

 -日本野球への対応で苦労したことは。

 「ボールカウントが3-0や3-1なら、アメリカでは速球で打者にチャレンジしてきます。私は長いプロ野球選手生活の中で、そのことに慣れておりました。ところが、日本ではそのカウントで、フォーク、チェンジアップ、スライダーがきます。そのような攻められ方に慣れるまで非常に対応に苦しんだことにを覚えています。自分の中で『オッケー。ここはフォーク、スライダーが来るぞ。それを待つんだ』と言い聞かせて打席に入っていました。速球で攻めてこないあということに慣れれば慣れるほど、結果もついてきたと思います」

 -最も思い出に残っている試合、最も印象に残っているホームランは。

 「ファンの皆さんはバックスクリーン3連発を覚えていただいていると思います。それもそうですが、私にとって一番印象深かったのは、後楽園で打った場外ホームランです」

 -今でも日本では「史上最強の助っ人」として語り継がれています。そのことについてどう思うか。

 「多くのホームランを打ったということで言っていただいているとは思うんですが、非常に名誉なことです。すべては並木コーチのおかげです。私以外にも当時素晴らしい打者がたくさんいました。とにかく日本でプレーする機会をいただけて感謝しています」

 -日本で対戦した中で最も評価する投手の名前と理由を。

 「いい投手が本当にたくさんいたので難しい質問ですが、広島や巨人の投手陣、また大洋(現DeNA)の遠藤投手の素晴らしいフォークボールなど、1人を挙げるのは難しいです」

 -現役時代に一緒にプレーした岡田さんが監督に復帰しました。ぜひエールを。

 「岡田さんが復帰してくれて大変喜んでいます。タイガースにはリーダーが必要です。一緒にプレーした頃とはチームカラーが全く違いますが、投手を中心に守りを固めた岡田さんらしいチームづくりをし、優勝してくれると信じています。応援しています。今年中に日本に行き、岡田阪神の試合をぜひ見たいと思っています。会っていろいろ話たいと思っています」

 -阪神を退団された後はどんな生活をされ、現在はどんな生活を。牧場経営、市議会委員をされていたと聞いているが。

 「牧場経営に加え、ロートン市議会議員やオクラホマ州会上院議員を務めました。野球界とは違う世界で仕事することができ、良い経験でした」

 -昨年、ヤクルトの村上がセ・リーグではバース氏以来の三冠王になった。村上選手のことをどう見ている?

 「彼のことはよく知っています。私以来のセントラルリーグの三冠王ということで、素晴らしい選手です。打撃のタイトルを3つ同時に取るということは簡単なことではありません。非常に難しい仕事です。三冠王は、シーズンを通して集中しないと達成できることはありません。WBCでは彼だけではなく。日本代表チームのパフォーマンスをしっかり見たいと思っています」

 -WBCで日本代表が優勝するために必要なことは?

 「日本代表には素晴らしい選手がそろっています。一球一球に集中し、ミスを犯さなければ、日本が優勝するチャンスは十分にあると見ています」

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