今岡真訪氏 岡田監督に恩返し 星野さんの「77」背負い阪神1軍打撃コーチ就任
阪神は17日、球団OBの今岡真訪氏(48)が1軍打撃コーチに就任すると発表した。同氏は西宮市内で球団と契約後、就任会見を行った。背番号は2003年にチームを優勝に導いた故星野仙一氏の「77」。「自分の能力を引き出していただいた」と感謝する岡田彰布監督(65)の下で“第2の今岡”を育て上げる。これで阪神の今季の組閣が完了した。
6年ぶりの古巣復帰。黄色に近い金色のネクタイに変わらぬ“猛虎愛”をしのばせた今岡コーチは「選手たちが頑張ってくれるという期待と、その手助けをしようという気持ちでいっぱいです」と第一声を発した。
「選手個々の能力を引き出す、この一点に尽きる。持っている力を出せずにいる選手が多いのが現状。(能力を)引き出すことを最大のテーマにやっていきたい」と力強く所信表明した。「能力を引き出す指導」。念頭に置くのは“恩師”でもある岡田監督の姿だ。
第1次岡田政権で優勝した2005年、守備の負担軽減と打撃への専念を理由に三塁に守備位置を固定された。指揮官の期待に応えて打点王を獲得。147打点は球団歴代最多記録でプロ野球史上でも歴代3位。驚異的な勝負強さを誇った。「自分の能力を引き出していただいた、それが岡田監督。選手の能力を引き出すことが指導だと思う。それを教えていただいた」と今も感謝の言葉は尽きない。岡田流の指導法を継承し“第2の今岡”を育成していく。
岡田監督からは「とにかくバッティングのレベルアップということで、手助けをしてくれないかというシンプルな言葉をいただいた」と就任に至った経緯を明かした。阪神だけでなくロッテでも積んだ指導経験を生かし「全ての固定観念にとらわれることなく、その中で(技術の)引き出しを提示していく」と指導方針を明確化した。「基本的にコーチは練習に付き合う。毎日見て、選手が気付かないことに気付くこと」と持論を述べ、密着指導で佐藤輝や大山の飛躍を促していく。
注目の背番号は「77」。03年にチームを優勝に導いた故星野仙一氏の“代名詞”を背負う。引退後、指導者に転じてからつけてきた愛着ある番号でもある。星野氏への思いを問われ「もちろんある」と短い言葉で結んだ。星野氏と岡田監督。2人の名将から学んだ哲学を注入し、3度目の“アレ”に指導者として尽力していく。
◆今岡真訪(本名=誠、いまおか・まこと)1974年9月11日生まれ、48歳。兵庫県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。PL学園、東洋大を経て1996年度ドラフト1位で阪神入団。2010年ロッテへ移籍し12年に打撃守備コーチ兼任。同年現役引退。16年に阪神2軍コーチ。18年からロッテ1軍ヘッドコーチなどを歴任。首位打者(03年)、打点王(05年)、ベストナイン3回(02、03、05年)、ゴールデングラブ賞(03年)。