阪神・中野 鳥伝説再現誓った 侍世界一へ“神盗塁”決める!
今年3月の第5回WBCに出場する侍ジャパン選出が内定している阪神・中野拓夢内野手(26)が20日、愛知県岡崎市の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで自主トレを公開。13年の第3回WBCで伝説となった二盗を決めた阪神OB・鳥谷敬氏ばりの“神盗塁”を再現すると誓った。今年からコンバートされる二塁では広島の名手・菊池を参考にしており、この日も約40分間ノックを受けるなど、着々と準備を進めている。
日の丸のユニホームに身を包み、緊迫した場面で果敢に盗塁を決める-。WBCの代表メンバーに内定している中野は、イメージを膨らませていた。代表選出が正式に決定したら、憧れの先輩のように脚力で世界を沸かせることを夢見ている。
「自分のアピールするところは足だと思うので、代表でしっかりと盗塁を決めて貢献できるように。やっぱり鳥谷さんの盗塁は自分の中でも印象に残っています。ああいった場面で自分も選ばれたらしっかりと盗塁を決められるようにしたい」
13年第3回WBCで鳥谷氏は伝説のシーンを演出していた。3月8日の台湾戦(東京ド)。1点を追う九回2死一塁の状況から自身の判断で初球に二盗を敢行し、盗塁成功。そこからチームは勝利した。当時、日大山形高1年だった中野は鮮明に光景を覚えていた。
大舞台で自分も勇気あるスタートを切るつもりでいる。「チームに勢いを付けるという意味でも(僅差の場面で盗塁を)していかないとなかなか国際大会では勝てない」。自らの役割は十分に理解している。新人だった一昨年は30盗塁で盗塁王に輝くなど、脚力に自信を持つ中野が、機動力で各国を揺さぶる。
昨季までの2年間は正遊撃手だったが、岡田新体制の今季は二塁へコンバートされる。6日から岡崎で練習しているが、二塁を重点的に守備練習を行っている。この日も二塁のみで約40分間ノックを受け、連係プレーなども確認。シーズンに向けた準備を進めている。
その中で参考にするのは、10年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得する広島・菊池だ。「ボールの入り方、間の使い方、ボールを待っている形であったり、本当に参考になると思うので」と守備職人の動画をくまなくチェックしているという。
WBCに正二塁手挑戦と、プロ3年目は濃い1年になりそうだ。「個人的には3割30盗塁を目標にしたい。チームとしては“アレ”を常に言っていると思うので、そういった目標に向かう意識だけを持ってやっていきたい」。世界とセ界を制覇するために、持てる力を最大限に発揮する。
◆第3回WBC、鳥谷の“奇跡の盗塁” 舞台は2013年3月8日の2次ラウンド・台湾戦。1点を追う九回1死から鳥谷は四球で出塁。その後、2死一塁となってから二盗を成功させた。失敗だったら敗戦が決まる場面での盗塁でチームを勢いづかせ、直後の井端の同点打につながった。そこから、日本代表は延長十回に勝ち越し劇的勝利した。なお、同大会での鳥谷は7試合で打率.267、1本塁打、2打点だった。