阪神・湯浅 あるぞ侍守護神 栗山監督サクセスストーリー期待「きっかけ作らせてあげたい」
あるぞ侍守護神!!侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が23日、甲子園の球団事務所を訪問し、阪神・岡田彰布監督(65)と“トップ会談”を行った。代表メンバー入りが内定している湯浅京己投手(23)に投球次第では抑えに抜てきする可能性を示した。阪神でも抑え候補の筆頭に挙げられている右腕。WBCの経験を糧に急成長することを期待した。
虎が誇る最強リリーバー・湯浅に、栗山監督は無限の可能性を感じていた。WBCでも託す仕事場は中継ぎ。投手として成長できる場になることは間違いない。働き次第では、試合を締めくくる守護神として送り出す。侍の将は大きな夢を膨らませている。
「彼の感じからいったら日本、ファン、チームのために頑張るっていう選手じゃないですか。こっちとしては逆に、何かきっかけを作らせてあげたい。うまくいって一気に日本の抑えっぽいところまでぱっと走っていく(駆け上がっていく)みたいなね。そういうきっかけにしてくれたらチームも勝つし、僕としてもうれしいし、ファンの人も喜ぶ」
日の丸の守護神候補として期待されるのは広島・栗林、楽天・松井、巨人・大勢ら。また、09年の第2回WBCで世界一の胴上げ投手になったパドレス・ダルビッシュも状況次第では抑えを託される可能性がある。ただ、湯浅も150キロ超の力強い直球と落差のあるフォークは抑え向きともいえる。
3度の腰椎分離症を乗り越え、マウンドで活躍を続ける苦労人である点も大きな要素だ。栗山監督は「本当に苦労してここに駆け上がってきたなあっていう、見ていても楽しいじゃないですか」と目を細めた。代表入りから侍守護神の道まで駆け上がっていくサクセスストーリーを現実にしたいと考えている。
岡田監督もバックアップを約束した。2月中旬まで参加する宜野座キャンプで「向こうのボール投げなあかんやろ」と湯浅にはWBC公式球で投球させる。源田とともに遊撃候補で期待される中野については「(キャンプでの練習は)セカンドしかやらさん。遊撃の練習は(代表合宿の)宮崎行ってからやってほしい」と伝え、阪神の二塁コンバート構想を優先して練習することを確認しあった。
「監督の顔を見て話をしたかった」という思いで甲子園を訪問した栗山監督。岡田監督からは「大変やからのう、まあ頑張ってくれ」とエールを送られた。湯浅、中野の若虎たちとともに、世界一奪還への大海原へこぎ出していく。