岡田阪神「大山4番」指揮官が初明言 佐藤輝5番も示唆、開幕オーダー見えてきた
阪神・岡田彰布監督(65)が28日、MBS「せやねん!」に生出演し、「4番・大山」を初めて明言した。昨秋の練習に取り組む姿から自覚を感じ取り、「みんなから認められている」と評価した。キャンプインを前に現時点での構想も披露し、佐藤輝の5番起用を示唆した。1番・近本から始まる開幕オーダーが見えてきた。
キャンプインを前に腹は決まっていた。番組内で4番を問われた岡田監督は迷わず大山を指名した。「自覚というかね、そういう大山の姿を見て、やっぱりこのチームは大山を4番にしないといけないなあというのが見えたですね」。昨秋のキャンプを振り返り、絶大な信頼を口にした。
安芸での約3週間は「4番・大山」を決めるのに、十分な時間だった。大山と言えば、泥くさく、内野ゴロや犠飛で打点をもぎ取る姿が印象的だが「いやいや、そういうゲームの評価じゃないよ。練習の姿」とキッパリ。キャンプでは打撃を直接指導するだけなく、練習に取り組む姿勢もじっくり観察。チームメートから慕われる姿から大山の魅力を感じ取ることができた。
「言葉とかそんなんじゃないからな。引っ張っていくとか、そういうんじゃなしにな。みんなで並んでいてると、違う姿が見えるやん。何か違うというかな。一番はみんなが認めなあかんから。みんなの見ている姿を見て、やっぱり大山かなあとキャンプで見えた」
大山への期待は「打点」と明快だ。「甲子園でホームラン何本目指せは言いづらいよ、ハッキリ言うて。甲子園の場合は打点やろ」と勝負どころでの一打を求めた。
昨季の大山は開幕7番スタートから最後は4番に返り咲き。124試合で打率・267、23本塁打、87打点をマークした。決勝打も佐藤輝と並ぶチームトップ11度を誇り、将の理想像にピタリと当てはまる存在といえる。
「そこは変えたらいかんわ、4番は。4番変えるときは危機の時や」と岡田監督。現状は全試合、大山に4番を任せる方針だ。
一方の大山は岡田監督の“4番明言”にも、「分からないです。頑張ります」と平常心を貫いた。この日は先乗り自主トレで沖縄入り。「毎年不安しかないので、少しでも減らしていけるように準備していかないと」と意気込んだ。若手を引っ張る心づもりだが、「まずは自分のことをやって、プラスというところだと思う」と気負いはなかった。
指揮官は佐藤輝の5番起用も示唆し「(大山の)後ろで姿を見るのも大切」と大山の背中を見て成長してくれることを願っている。1番・近本、2番・中野、3番・ノイジー、4番・大山、5番・佐藤輝…。キャンプインを前に早くも岡田野球の輪郭が形を見せ始めた。番組では「(アレまで)あと9カ月やないですか」と笑顔で約束。打線の中心に大山がどっしりと座れば、その瞬間はグッと近づく。
◆第1次岡田政権の4番 就任1年目の2004年、岡田監督はリーグ優勝した前年に3番だった金本を4番に据え、「勝負を決める打撃」を求めた。春季キャンプでは「40本くらい打て」とゲキを飛ばした。新4番はその期待に応えて打率、本塁打、打点の3部門で自己最高を記録して打点王を獲得。翌05年はさらに3部門すべてで数字を上積みして優勝に貢献、シーズンMVPに輝いた。