佐藤義則氏×阪神・才木対談1 才木「防御率タイトル取りたい」佐藤氏「15勝いける」

 阪神・才木浩人投手(24)とデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(68)の対談が実現した。若き虎のエース候補は、パドレス・ダルビッシュや楽天・田中らを育て、「名伯楽」と称される佐藤氏の投球論に熱心に耳を傾け、飛躍への大きなヒントをつかんだ。シーズンでは規定投球回数への到達を目標に掲げ、初タイトルへの思いを明かした。

  ◇  ◇

 佐藤氏(以下佐藤)「ブルペンや紅白戦の投球を見せてもらったけど、完全に仕上がっている状態だね」

 才木「ここまではとてもいい感じです」

 佐藤「脱力フォームの習得に取り組んでいるそうだけど」

 才木「まだ完成形というところまではいってませんが、真っすぐの感覚やボールの質は去年よりもかなり良くなっています」

 佐藤「きっかけはなんだったの」

 才木「(トミー・ジョン手術を受けた)右肘のこともありますし、投げるスタミナだったり、球の威力や球速を高める上でも脱力は必要じゃないかと。自分が成長していくために何が大事かなって考えたら、脱力がいろんな部分でかぶってきたので取り組んでみようと思いました」

 佐藤「いろいろ考えてやっているね」

 才木「自分の中でも去年は力んで投げている感じがすごくあったんです。このままでは限界が来るの早いかもって思って。テイクバックや足の動き、回旋時の体幹周りなど必要なところだけ力が入っている状態にしたいと思っています」

 佐藤「最近は上半身の力で強い球を投げようとしている投手が多いよね。でも、それって理にかなった投げ方ではない。ヒザと腰は横回転を意識した方が肘も柔らかく使えて、リラックスした状態で強い球を投げられる」

 才木「脱力を身につけるためのいい方法ってありますか」

 佐藤「最近は走者なしでもセットポジションで投げる投手が増えたけど、セットは構えた時に体に力が入ってしまう。ノーワインドアップの方が体全体を動かしながら投球動作に入るので脱力しやすいよ。キャッチボールでも足をゆったり使って大きく腕を動かしながら投げたらいい」

 才木「確かにキャッチボールで力が入っている時は投球練習でも全然ダメです」

 佐藤「キャンプで投げている球を見てると、シーズンでも15ぐらい勝てるんじゃないかな。それぐらいの力を感じる」

 才木「ありがとうございます。自分の中ではシーズン通して先発ローテを守るということを最低限の目標に置いてます。中6日で投げられれば年間25試合の登板。任された試合は最低でも6、7イニングは投げたいです。それができれば規定投球回(143回)にも手が届きますから」

 佐藤「1年間ずっと調子がいいわけではないから、たまには完投もしたりして貯金をつくっておかないとね」

 才木「規定投球回に到達すれば、いろんな数字も残せていると思っています。勝ち星も2桁いきたいけど、これは打線との兼ね合いもあるものなので。自分の中では防御率を一番に意識してやっていこうと思います」

 佐藤「(防御率の)タイトルも狙えるんじゃないかな。自信を持って投げてほしい」

 才木「はい。自分も1年間しっかりと先発ローテで投げて、タイトルをぜひ取りたいと思っています」

 ◆才木 浩人(さいき・ひろと)1998年11月7日生まれ、24歳。兵庫県出身。189センチ、86キロ。右投げ右打ち。投手。須磨翔風から16年度ドラフト3位で阪神入団。17年10月5日・中日戦でプロ初登板(救援)。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け同年12月に育成契約。22年5月に支配下再登録。

 ◆佐藤 義則(さとう・よしのり)1954年9月11日生まれ、68歳。北海道出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。函館有斗から日大を経て、76年度ドラフト1位で阪急(現オリックス)入団。95年8月26日・近鉄戦(藤井寺)で、40歳11カ月(当時最年長記録)でノーヒットノーラン達成。98年現役引退後は阪神、日本ハム、楽天などで1軍投手コーチを務めた。

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