阪神・青柳 開幕投手大本命が実戦モード 初めて打者と対戦 中川のサインに8度首振る
「阪神春季キャンプ」(16日、宜野座)
開幕投手の大本命が“出陣”だ。阪神・青柳晃洋投手(29)が16日、ランチ特打に登板し、今キャンプ初めて打者と対戦した。小幡、ドラフト1位・森下、高山、渡辺諒と計6打席対戦して安打性0、2四球。捕手・中川のサインに何度も首を振る場面もあり、キャンプ中の取り組みを“実戦モード”で試した。昨季は新型コロナウイルス感染により幻となった大役を目指し、ギアを上げていく。
1、2、3回…サイン交換はまだ終わらない。小幡の第2打席。3ボールから青柳は8度、中川に首を振った。結果的には四球となったものの、自身のテーマを遂行した象徴的な場面だ。
「中川(とのバッテリー)が初めてだったので仕方ないんですけど」と前置きしつつ、「ツーシームを投げたかった。打者は練習なので打ちに来ると思ったので、真っすぐ狙いで打ちに来たところでどういう感じかなと。僕の意思として投げさせてもらった」と意図を説明。今キャンプ初となる打者との対戦で、早くも“実戦モード”で打者の反応を確かめた。
今キャンプでは、左打者への内角スライダーや右打者へのシンカーを中心に配球の幅を増やすこと、カーブだけでなく、球宴でヤクルト・高津監督から教わったシンカーなど遅球の習得に取り組んでいる右腕。登板前には「全球種を使いながら、どういう反応なのか見られたら」とテーマを掲げていた。
2四球を与え「コントロールの部分がまだまだだった」と反省。「バッターを抑えようと思うので、ちょっと力が入ったりフォームが合わなかったりというのがあった」とブルペン投球との差を振り返ったが、収穫も明かす。高山を初球125キロ・シンカーでぼてぼての三ゴロに打ち取った場面を例に挙げ、「あれだけ前に出て打ってくれたりという、バッターの反応が見られたので良かった」とうなずいた。
開幕投手を見据える右腕にとっては第一歩に過ぎない。今年初の実戦登板は、23日の練習試合・中日戦(北谷)が濃厚。「バッター相手に投げる機会がこれから増えていくと思うので、そこで合わせて行けたら良いなと思います」と徐々にギアを上げていくつもりだ。自身初の大役へ、着実に歩みを進める。