阪神・ドラ1森下 けが出遅れで“減点” 満点開幕へ「自信はもともとついている」
「阪神春季キャンプ」(27日、宜野座)
幾度も沖縄の虎党を沸かせながらも、この1カ月を振り返る表情は厳しい。阪神ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が27日、故障スタートから始まった初の春季キャンプを終えた。自己採点は60点。実戦計8試合で21打数8安打2打点、打率・381をマークしながらの辛口評価となった。
足りない40点が、黄金スラッガーに秘める伸び代の大きさを物語る。「1軍で活躍するために、詰めていかないといけない部分が多い」と手厳しい評価を自らに下す。26日の日本ハムとのオープン戦(名護)では「3番・右翼」でスタメン出場し、全方向に安打を放って3安打“猛打賞”をマーク。キャンプ中の実戦で躍動し続けても満足することはない。
減点対象は、1月に負った右足肉離れの影響による遅れだ。「けがでチームになじむことが遅れた」と1軍の環境に慣れきるところまでは到達しなかった。もう一つは長打と打点の不足。23日・中日戦(北谷)で左翼線適時二塁打を放つも、実戦での長打はこの1本のみ。「(打球の)角度があまり出なかった」と豪快に白球をかっとばすスラッガーらしい姿は身を潜めた。
一方で岡田監督は賛辞を並べる。「バッティングにしても、やっぱりヒットが出るわけだから。送球の強さとか守備力にしても思っている以上」。自己採点を大きく上回る指揮官の評価が、底知れぬ可能性を感じさせる。
初めてプロのキャンプを体感し、「練習の濃さも差を感じた。本当に真剣に野球に取り組めた期間だなと思います」とレベルの高さを実感。濃密な時間に感じられたからこそ、森下の成長曲線は右肩上がりを描く。「(プロで活躍する)自信はもともとついている」と言い切った期待のドラ1。ルーキーイヤーの開幕を“満点”で迎える道筋は既に見えている。