阪神・ドラ1森下“甲子園打法”で柵越え7本 島田を手本に守備も英才教育
阪神は1日、甲子園で全体練習を再開し、ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=はプロ入り後初めて本拠地で汗を流した。打撃練習ではキャンプの実戦で長打が1本にとどまったことから、打球角度を上げるために打撃フォームを修正してフリー打撃で柵越えを披露。浜風の影響を受ける右翼の守備練習も入念に行い、順応へ準備を進めた。
鈍い音が無人の左翼スタンドから響き渡った。縦じまを身にまとって初めて甲子園でバットを振った森下が、鋭いスイングから快音を連発。時には内角球を引っ張り込み、聖地にアーチをかけた。
プロ入り後初の甲子園でのフリー打撃は40スイングで7本の柵越え。「自分の中ではすごい打ちやすい印象というか、見やすかった」。右翼から左翼方面へ緩やかに浜風が吹く中、左中間最深部への2本など左翼方向に6本の柵越えを放った。
キャンプで出た課題をアーチにつなげた。「打ち方を変えたっていうか、バッティングをちょっと見直して。感触も良かった」。打撃フォームを微調整し、甲子園での初練習に臨んでいた。
春季キャンプでの実戦は計8試合で21打数8安打2打点、打率・381。ただ、長打は2月23日の練習試合・中日戦で三塁線を抜いた二塁打1本のみに終わった。打球角度が上がらなかったため、休養日だった前日2月28日に修正ポイントを確認。構えたときのグリップをわずかに上げるなどして打撃フォームを改良した。
「常にどこが悪かったかなっていうのを見つけてやっている」と打撃のモデルチェンジは日常茶飯事。打球角度を上げて浜風を味方につけられる“甲子園打法”は、偶然にも聖地初練習のタイミングと重なった。
全体練習後の個別練習では約35分間、右翼の守備練習に臨んだ。宜野座キャンプでは近本とともにノックを受け、この日は島田と汗を流した。筒井外野守備走塁コーチが意図を説明。「見本になる選手をつけて、それを見ながらやる」と守備に定評がある選手を“教材”としてピックアップし、一緒に練習させていく方針を明かした。「他の球場とはちょっと違う形」と違和感を覚えたという森下は英才教育を受けながら、聖地への順応を目指す。
「ホームグラウンドなので、そこで一番打てるように頑張りたいなと思います」。満員の虎党を沸かせるために、打撃も守備も磨きをかけていく。