阪神・中野 快幕デモ 志願!2軍戦フル出場 仮想DeNA・石田の左腕撃ち 

 7回、打球を追い芝生にダイブする中野(撮影・飯室逸平)
 5回、佐野皓の打球を軽快にさばく阪神・中野
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 「ウエスタン、オリックス5-0阪神」(28日、杉本商事バファローズスタジアム舞洲)

 侍JAPANのメンバーとしてWBCで世界一に輝いた阪神・中野拓夢内野手(26)が28日、ウエスタン・オリックス戦(杉本商事)に「2番・二塁」でフル出場した。オリックスの先発が開幕ローテ左腕の田嶋だったことから、開幕戦でDeNAの開幕投手を務める左腕・石田を想定して、志願の2軍戦出場。初回に二塁打を放って、開幕デモの左腕撃ちを成し遂げて、「3・31」へ弾みをつけた。

 マイアミで世界一を勝ち取ってから6日後、中野の姿は大阪・舞洲の2軍球場にあった。オープン戦最終戦の26日・オリックス戦(京セラドーム)が“虎復帰戦”となり、Hランプもともしたが、4打席に立って対戦した3投手はいずれも右腕。開幕戦で左腕との対峙(たいじ)が決まっている以上、田嶋は最終調整として格好の相手だった。

 「京セラであまり感覚が自分の中でよくなくて、開幕戦が左ピッチャーということがあったので。岡田監督にも『左投手、立っといた方がええやろ』と言われて、自分自身、打席にも立ちたいという気持ちがあったので」

 志願の出場で初回から2番打者らしい仕事をやってのけた。先頭の島田が9球目で四球を勝ち取って、無死一塁で迎えた第1打席。田嶋に2球で追い込まれたが、ファウルで粘って6球目のフォークを捉えて左中間に。快足を生かした好走塁で二塁を陥れて、無死二、三塁のビッグチャンスを演出した。

 開幕戦を見据えた左腕撃ちに、「カウントを整えつつ、最後に逆方向にいい打球が打てたのは良かったかな」と納得の表情。「ボールの見え方だったり、ファウルの仕方など自分的にも感覚的には悪くないと思う」と状態の上向きを確認できたとあって、収穫は多かった。

 WBCでは慣れ親しんだ遊撃を守ったが、新たな職場の二塁にも「まったく問題なくできていると思います」と不安を感じさせることはなかった。五回には佐野皓の二遊間を抜けそうなゴロを、逆シングルで好捕。「後はベースカバーであったり、カットプレーも試合では不規則な動きが入ってくるので、その辺をしっかりと対応していけるように」と向上心を忘れない。

 開幕までの実戦はこの日を最後にすることを明言。「まずはケガをしないように。キレだったり自分の体を考え、残り2日間の練習を少し追い込みながらやっていければ」。セ界一をかなえるために最善を尽くして、「3・31」を迎える。

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