阪神・岡田監督 執念タクト→歓喜の抱擁 自身5313日ぶり劇勝&富田プロ初星呼んだ

 延長12回、近本(手前右)のサヨナラ打にベンチを飛び出す阪神ナイン(撮影・中田匡峻)
 サヨナラ打の近本(5)を満面の笑みで迎えた岡田監督(撮影・中田匡峻)
 6回、近本の安打で本塁を突いた梅野がタッチアウトとなり、悔しがる岡田監督(80)=撮影・高部洋祐
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 「阪神6-5DeNA」(1日、京セラドーム大阪)

 京セラドームが歓喜に沸く中、阪神・岡田彰布監督(65)はヒーロー・近本をギュッと抱きしめた。虎将でのサヨナラ勝ちは2008年9月13日・広島戦(甲子園)以来。常に先を読む岡田采配で総力戦を制した。

 「もう(延長)十二回までいく流れで考えていたんで、2アウトから諦めずに塁に出たことが最後いい形につながったと思います」

 先発・秋山が初回に4点のビハインドを背負う。苦しい展開となったが、直後にノイジー、大山、森下の適時打で反撃。二回に中野に適時打が飛び出すと、五回は佐藤輝の犠飛でゲームを振り出しに戻した。

 継投策もハマった。六回から中継ぎを1イニングずつ投入し、延長十二回は開幕戦で失点したK・ケラーではなく、ルーキー・富田を抜てき。打線は再三の好機を逃し続けていたが、最後に岡田監督の執念が実った形だ。

 12年以来となる現場復帰。百戦錬磨の知将でもキャンプ中の練習試合では、選手交代など采配に違和感があったという。それでもゲームを重ねるごとに「感覚もだいぶ戻ってきたな」と手応え。開幕戦では「俺、サイン10個くらい出したよ。あんなんなかなかないよ」とニヤリ。すっかり本来の野球勘を取り戻しているようだ。

 「何かおかしい開幕やね。しんどい開幕やけど」。前夜のヒヤヒヤ白星に続いて、2戦目は4時間26分のロングゲーム。終わってみれば、ベンチに残ったのはK・ケラーと長坂の2人だけだ。疲労感をにじませながらも、笑みは絶えない。岡田阪神がこれ以上ない好スタートを切った。

 ◆岡田阪神サヨナラ星!5313日ぶりや!! 岡田監督が阪神でサヨナラ勝利を飾ったのは2008年9月13日・広島戦(甲子園・延長10回)以来、5313日ぶり。オリックス監督時代を含めると12年10月3日・ロッテ戦(京セラドーム大阪・延長10回)以来、3832日ぶり。また昨季延長戦勝敗は2勝10敗4分け、勝率・167。同サヨナラ別勝敗は2勝9敗、勝率・182でチームのサヨナラ勝利は22年6月26日・中日戦(甲子園)以来となった。一方、開幕2連勝は3連勝した21年以来。岡田阪神では08年に続く2シーズン連続。

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