阪神・岡田監督 一喜一憂禁止令 将5305日ぶり単独首位も「全部完璧なんかできへん」
「DeNA(降雨中止)阪神」(15日、横浜スタジアム)
阪神は15日、DeNA戦(横浜)が雨天中止となり、ヤクルトが敗れたため単独首位に浮上した。岡田彰布監督(65)にとっては2008年10月5日以来、5305日ぶりの単独首位となった。指揮官は横浜スタジアムで練習後に「一喜一憂禁止令」を出し、今後は気持ちの浮き沈みなく戦う心構えを説いた。14日・DeNA戦の大敗にベンチ内が暗くなったことを指摘。余裕を持つ重要性も強調した。
「今年一番しょうもないゲーム」と言った大敗から一夜明け、岡田監督がペナントレースを戦う心構えを説いた。前夜、気になったのはベンチの重苦しい雰囲気。「負ける時もあるやんか」。あっけらかんと話す指揮官は「何でそうなるんやろなあ」と気持ちの浮き沈みに首をかしげる。
「いつも一緒にやったらええのになあ。一つ負けたぐらいで何であんなに暗くなるんかなあ。(シーズンで)何回負けるんや」
14日・DeNA戦はエース・青柳がリードを守れず、一方的な展開となってしまった。ただ143試合を戦えば大勝も大敗もある。選手、監督として数々の修羅場を経験してきた指揮官は「そんな一喜一憂しとったら体持たん」と力を込める。
「勝ってる日も負ける日もあるんやからなあ。勝ってそんなにうれしいんかな」
悪夢の開幕9連敗からスタートした昨季も、浮き沈みの激しい1年だった。連勝中はチームも勢いに乗るが、負けが込み、ミスが相次ぐと、歯止めが利かなくなってしまう。
「ミスなんかするやんか。絶対にゼロなんかで終わるわけないんやから。余裕ないんかなあ。全部完璧になんかできてへんやん」
将は「みんな一生懸命やってる」と戦う姿勢を認めている。伸びしろのある選手が多く、未知の可能性を秘めるチームと期待するだけに「余裕」を持つことの大切さも訴える。
「それは一つのプレーでもそうやろ。目いっぱいプレーしてるのが、余裕を持ってできるようになる。自信付けていくからな。そういうことやろ。普通にできるいうかな」。ワンプレーにおいても一喜一憂する必要はない。心にゆとりを持ってプレーできれば、自信にもつながっていくというわけだ。
この日は今季2度目の雨天中止となったが、同率で並んでいたヤクルトが広島に逆転サヨナラ負けし、阪神が単独首位に浮上した。
チームにとって16日・DeNA戦は仕切り直しの一戦。横浜スタジアムは昨季からレギュラーシーズン9連敗中の鬼門だが、岡田監督の頭に負のデータはない。余裕たっぷりに構え、今季初のカード負け越しは阻止する。