阪神・中野 打撃センスの裏側にバットへのこだわり「速いボールをどうやったら打ち返せるか」
「阪神2-1広島」(18日、甲子園球場)
阪神・中野拓夢内野手(26)が九回2死満塁から逆転サヨナラ打を放った。チームを首位タイ再浮上に導いた値千金の一打。広島との3連戦第1ラウンドのヒーローが商売道具に込める「こだわり」を担当記者が明かした。
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バットコントロールに定評のある中野は、社会人野球チーム・三菱自動車岡崎に在籍時からバットへのこだわりがあるという。それは「細さ」だ。
「速いボールを打つためにはコンパクトにして、インパクトまでの時間を速くしないといけないと考えていて。その速いボールをどうやったら打ち返せるかを考える中で、社会人時代からグリップや芯など、バットの全体を細くしていますね」
プロ野球界では、150キロ超の直球を投じる投手がゴロゴロいる。18・44メートルの間から投手が投じる球に対し、瞬時に判断して打ち返す必要がある。「バットの全体を細くすることで、どういった形なら極限まで見極めてボールに対してバットを出せるか、ファウルを打てるのか。それが今のバットに至っています」と、巧みな打撃センスの裏側には、商売道具に工夫があった。
昨季はセ・リーグ3位の157安打を放ち、第5回WBCでもシュアな打撃で列島中を沸かせた。「インパクトの瞬間までにバットを速く出せれば、フォローも勝手についてくると思う。インパクトの速さを意識していきたい」。2番・二塁で固定され続けている今季、さらなる進化を目指す。(デイリースポーツ阪神担当・関谷文哉)