阪神・村上 無四球完封でプロ初白星「長かった」 前回登板から11回完全!17イニング無四球

 「中日0-2阪神」(22日、バンテリンドーム)

 この実力は本物や!!阪神は村上頌樹(しょうき)投手(24)の完封勝利で連敗をストップ。前回12日の巨人戦では、七回までパーフェクト投球を続けながらも降板した3年目右腕は、この日も五回1死まで完全投球を継続。9回を投げきり、10奪三振の快投でうれしいプロ初白星を手にした。センバツ優勝投手で、ルーキーイヤーから2年続けて2軍でタイトルを獲得してきた男が、ついに開花の時を迎えた。

 まぐれでも夢でもない。27個目のアウトを奪い、グッと握り締めた拳に確かにつかんだプロ1勝目。「長かった」。2年間の努力が報われた瞬間、村上は歓喜の輪の中心にいた。

 「やっと勝利できてうれしいです。誠志郎さん(坂本)が引っ張ってくれましたし、バックの皆さんも守ってくださった」

 途中交代となったものの、前回12日・巨人戦では7回完全投球。この日も文句なしの快投だ。初回に3者連続三振を奪う圧巻の立ち上がりを見せると、四回までパーフェクトを継続。五回1死で福永に中前打を浴び、中継ぎとして1回無失点に抑えた1日・DeNA戦から続いていた連続打者アウトは「37」でストップしたが、動じることなく後続を断った。

 2点リードの八回先頭でも福永に中前打を許したが、そこから3者連続の空振り三振。「つながったらキツかったと思うんですけど、一人一人、というふうに行けた」と胸を張る。10Kをマークして9回2安打無失点。六回に自身の安打を起点に奪った2点を最後まで守り切り、初完封で記念の白星を飾った。

 「もし他のチームやったら…」。あまりにも弱気な言葉がこぼれたのはちょうど1年前の4月。藤浪、伊藤将のコロナ感染など先発陣の苦境にあって、2軍では無双状態の村上が1軍へ呼ばれることはなかった。「実力がないだけ。でも、こっち(2軍)でやってる意味あるんかな」

 今春キャンプでも立場は厳しかった。ハイレベルなローテ陣。実質、残り1枠のてんびんにかけられるのは岩貞、大竹、桐敷ら左腕と、技術だけではどうにもできない部分に歯がゆさもあった。それでも「ローテに何かあった時、一番に自分がいけるように諦めず準備するだけ。何が何でも食らいつく」と右腕。苦しみ抜いた1年を経て、口にしたのは力強く前向きな言葉だった。

 新人時代に先発した2試合は制球に苦しみ、いずれも序盤でKO。「逃げの投球だった」と悔やんだ自分はもういない。この日は「攻めの投球ができた」と納得顔。開幕から17イニング無四球という数字も誇らしい。

 記念球は、本人には内緒で球場を訪れていた両親に贈るつもりだ。「自信にして、慢心せず、またバッターに向かっていきたい」。ここがスタートライン。まだまだ、強くなれる。

 ◆プロ初勝利=無四球完封は初 阪神生え抜き投手でプロ初勝利を完封勝利で飾ったのは1985年の仲田幸司以来、38年ぶり。2リーグ分立後では59年・村山実らを含め11人目で無四球完封勝利は今回の村上が初。

 ◆村上頌樹(むらかみ・しょうき)アラカルト

 生まれ 1998年6月25日。兵庫県南あわじ市出身。24歳。175センチ、80キロ。右投げ左打ち、20年ドラフト5位で佐藤輝、伊藤将、中野、石井らと同期入団

 阪神との縁 小学校高学年時に野球教室で、平田現1軍ヘッドコーチをはじめ赤星氏や福原現2軍投手コーチらからアドバイスを受けた。中学では元阪神の庄田隆弘氏がコーチを務めた『アイランドホークス』に所属

 2年連続ファームでタイトル 1年目の21年に10勝1敗の成績で最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠。昨年も最優秀防御率、最高勝率の2冠を獲得

 憧れの選手 藤川球児

 趣味 音楽鑑賞。好きな歌手は日向坂46、GReeeeN

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