阪神・木浪 プロ初サヨナラV撃「最高で~す」 最大6点差を逆転!12球団唯一3連敗なし
「阪神8-7中日」(3日、甲子園球場)
ミラクル勝利で3連敗を回避や!阪神は九回無死満塁から、木浪聖也内野手(28)の右前打でサヨナラ勝ち。先発・西勇が2回でKOされ、一時は6点あったビハインドをひっくり返し、最後は劇的な勝利を決めた。連敗は2でストップ。今季ここまで12球団で唯一、3連敗を喫していない。大型連敗をしないチームは強い。この勢いで首位・DeNAの快走に待ったをかける。
必死に仲間たちがつないでくれた好機をモノにしないわけにはいかない。「絶対俺が決める」。そう心に決め、木浪は打席に入った。バットに思いを込め、白球が芝生に弾むと甲子園のボルテージは最高潮となった。5年目で初のサヨナラ安打。「最高で~す」とお立ち台で頬を緩めた。
これ以上ない場面だった。九回に失った1点を追う展開から同点とし、なおも無死満塁という状況で打席へ。マウンドには竜の守護神マルティネス。相手が全球直球勝負を展開してきたが、カウント1-2からの5球目、156キロを仕留めた。
右前へ打球をはじき返し、勝利が決定した瞬間はベンチから選手たちが一斉に飛び出してきた。ウオーターシャワーには「サヨナラで初めてだったので、すごく水が冷たかった」と少し苦笑い。「去年、ヒーローはなかったので、甲子園で立てたということが一番うれしかったですね」と実感に浸った。
春季キャンプでは、小幡との正遊撃手争いを繰り広げていたが、開幕スタメンは小幡に譲る形となった。「(小幡に)肩は絶対に勝てない」と本音を漏らしたこともあったが、安定した守備や持ち味の打撃でアピールできる時を待っていた。
小幡は6歳年下だが、18年ドラフト同期という間柄でもある。「ライバル意識はないですね」と仲も良い。ただ、厳しいプロ野球の世界。生存競争を勝ち抜くために、与えられたチャンスをモノにできるかがカギとなる。
開幕直後の少ない出番をモノにし、正遊撃手に返り咲いた。「この座を譲らないという、強い気持ちを持ってやっていきたい」。二、四回にも安打で出塁。今季4度目の3安打猛打賞を達成し、今年初の最大6点差をはね返す立役者となった。
この日はスタンドに大切な人が観戦していた。「両親が見に来ていたので、ヒーローになれて良かった」と明かし、ヒーローマイクを通してメッセージも送った。「体調に気を付けて、これから長生きしてください!」。グラウンドで活躍している姿を見せ続けることが、最高の親孝行となる。
◆阪神のサヨナラ勝利 今季3度目。4月1日・DeNA戦(京セラ)は近本が延長十二回、山崎からサヨナラ打。同18日・広島戦(甲子園)は中野が九回、栗林から逆転サヨナラ2点二塁打。この日のマルティネスを含め、全て守護神を打ち崩した。なお、6点差逆転は今季最大で、昨年6月3日・日本ハム戦(甲子園)で1-7から9-7と逆転勝利して以来の点差。