好守備連発の阪神・中野無失策はいつまで続く? 評論家が分析「魔法をかけたのは岡田監督か」

 遊撃から二塁へコンバートされ、好守備を連発する阪神・中野拓夢内野手(26)が依然として無失策を続けている。目立つのは送球の安定。何がどう変わったのか。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏がその“実相”に迫った。

 中野の守備力が上がったのは確かだ。コンバートの成果は、それが機能したかどうかで判断されるものだが、現状を見る限り、成功していると言える。

 (昨季の中野の失策数は18。守備率・973。今季は5月6日現在で無失策。守備率1・000)

 昨年、気になったのは送球面だったが、彼はもともと肩が弱かったわけではない。

 ゴロ処理でバウンドを合わせ損なった時に足がそろい、打球に差し込まれた感じになると、体重が早めに左に乗って、そのまま体を突っ込むようにして送球に移っていた。そのために送球がワンバウンドしたり、それることがあった。

 これはだれにでもあることだが、若干、その傾向が強かったように思う。

 ただ、ショートに比べて二塁は捕球後、送球先の一塁へ向かって少し角度がつく。その分、右足に体重を乗せやすい。つまりセカンド・中野はショート・中野時代に見られた“悪癖”を消す働きがあったと言える。

 三ゴロや遊ゴロで併殺を狙う二塁からの転送時も同様で、体重を右足に乗せやすい。今季は無失策もさることながら、ショートとのコンビネーションもよく、併殺もしっかり取れている。

 打球への反応のよさで注目されがちだが、何より送球面の安定が目を引いている。一塁への距離が近づいたということもあるが、まるで岡田監督の魔法にでもかかったような成長ぶりだ。

 岡田監督は大学時代も含めるとショート、セカンド、サードと内野の要所をすべて経験しているから、その難しさを理解していて目利きができる。木浪や小幡を巻き込んだ二遊間のコンバートには、そんな背景もあるのだろう。

 また、佐藤輝を三塁へコンバートしたことで“打てる選手”を先発オーダーに入れて試すことができている。佐藤輝が外野のままなら、おそらく三塁手の起用は限定的で、攻撃力を求めるのは厳しかったはず。そういう意味では、それぞれが“生きたコンバート”だった。

 もちろんポジションが固まったわけではない。まだ開幕して30試合足らず。さらに伸びてくる選手もいるだろう。今後、チームがどのように変容し強化されていくか。見ものだね。

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