【藤田平氏の眼】大谷翔平+吉田正尚=輝アーチ 阪神・佐藤輝が驚愕の一撃

 「阪神6-3DeNA」(12日、甲子園球場)

 阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回1死、低めのボール気味の直球を右手一本で払うように打ち返し、バックスクリーンに5号ソロをたたき込んだ。驚愕の一撃をデイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)も「大谷翔平の『膝つきホームラン』を思わせる」と絶賛した。

  ◇  ◇

 膝は地面についていなかった。それでも三回の佐藤輝の本塁打は、エンゼルス・大谷翔平の『膝つきホームラン』を思わせるバッティング。泳ぎ気味ながら体が低く沈むような体勢だ。重心が下がったことでたまったパワーがバットからボールへ伝わっていた。

 最後の形は片手のようだった。レッドソックス・吉田正尚も重心が下でスイングの最後に片手となっていることが多い。相撲と同じ。重心は下だ。高ければ高いほど力が逃げていく。

 五回の打席も評価していい内容。ホームランの後が大事なのだ。これまでは本塁打の感触が残っているためか、大振りして凡退し、打撃を崩すことが多かった。この日は落ち着いて四球を選べていた。それでいい。

 以前も触れたが、彼は大振りしなくてもホームランを打てる。その感触を体に染みこませることが大切。調子が下がりつつあるDeNAとのゲームで見せてくれた一発。これからも期待している。

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