阪神・岡田監督「ヒット1本で1点取れるんやからなあ」これぞ岡田野球の貴重な追加点
「中日1-3阪神」(17日、バンテリンドーム)
“岡田野球”が確実にチームに浸透しつつある。そう思わせる、鮮やかな攻撃だった。
「そうやなあ。ヒット1本で1点取れるんやからなあ」。阪神・岡田彰布監督がニヤリと笑った。
2-0の六回だ。先頭・佐藤輝が右前打で出塁し、ベンチからのサインで初球に二盗を決めた。続く島田は「ああいうチームバッティングをすることが大事」と二ゴロで走者を進め、チャンスを拡大。梅野は四球でつなぎ、恐怖の8番・木浪の中犠飛で貴重な追加点をもたらした。
「走れ言うたら走って、進塁打打て言うたら進塁打打って、犠牲フライでなあ。最低限でそういうことやろ」
自らの采配に選手が応え、試合後の岡田監督はご満悦だ。緻密な作戦の裏には明確な狙いもある。「ここはそんな連打ない、続けへんからなあ。うまいこと点取るしかないよな」。広いバンテリンドームでは長打も望めない。ならばとスモールベースボールで鬼門を打ち破った。
「サード行ったら調子の悪いバッターでも何かバット当てたらどっか飛んでいきよるって。はっきり言うて。ヒット打たんでもええやんか。外野まで打てるようなボール来たら(打てば)ええだけのことやから。それだけのことや」
試合後には岡田節もさく裂した。就任以来「ベンチで点を取る、ベンチが責任を取る」と言ってきた。中日は阪神の6安打を上回る7安打を放っている。それでも虎が勝った。これぞ“岡田野球”の真骨頂。首位を快走する中、岡田阪神の強さが際立ってきた。