阪神・岡田監督 “中西太魂”で7連勝 恩師の教え受け継ぎ秋にアレの報告を 「カケさんも真弓さんも。日課やった」
「中日1-4阪神」(18日、バンテリンドーム)
天国の中西さんへ捧げる白星だ。鬼門・名古屋でも虎の快進撃は止まらない。怒濤(どとう)の7連勝で貯金は「10」に到達。会心の勝利に岡田彰布監督も自然とほころんだ。
「大きかったなあ。2アウトからなあ」
初回無死一、二塁でノイジーが打席へ。フルカウントから二走・近本、一走・中野にダブルスチールのサインを出した。「そんな今、三振せえへんからのお。そら走らすやろ、あの2人」。結果的に三ゴロで二、三塁にチャンスを拡大。ミエセスの満塁一掃打で試合の流れをつかみ、カード3戦3勝を決めた。
試合前は突然の訃報に心を痛めていた。「今日聞いたよ。(亡くなったのは)11日やったらしいな」。中西さんは将にとって恩人といえる存在だ。プロ1年目の1980年、ブレイザー監督の方針の下、開幕からベンチスタートが続いた。5月中旬にブレイザーが退団し中西新監督が就任すると、レギュラーを奪取。最終的に打率・290、18本塁打、54打点で新人王を受賞した。
「そうそう。それからほとんど試合に出たけどな。4月の末ぐらいからスタメンで出とった。(打順は)7番くらいだったのかな。最後はクリーンアップ打っとったけどなあ」
同年の米アリゾナ春季キャンプも忘れられない思い出だ。チーム宿舎のホテルの庭にネットを張り、中西打撃コーチが至近距離から投げるスポンジボールを毎晩、打ち返した。
「(中西さんの)指先を何回か打ったことあるわ。みんな打ってたと思うで。カケ(掛布)さんも真弓さんも。日課やったかな。それの記憶があるなあ」
「職人」の教えは受け継いでいる。15年ぶりに虎将に復帰してからは“怪童”さながらの熱血指導を見せる場面も。中西さんが急逝した11日から虎は負け知らず。アレの瞬間まで、恩師が見守ってくれているはずだ。