阪神・才木 リスター投は6回5安打1失点 4・30以来の1軍登板で得意“鯉料理”

 「阪神4-1広島」(21日、甲子園球場)

 エネルギーを解き放つかのように、生き生きと腕を振った。立ち上がりから16球連続直球の衝撃。これが真骨頂だ。阪神・才木浩人投手が今季2勝目を手にした。

 「梅野さんと真っすぐでどんどん押していこうと話をしていたので。粘られても押していくことができた」

 大胆に攻めた。初回、菊池を全球直球で空振り三振。続く中村貴にはファウルで粘られてもなお直球を続け、154キロで左飛に仕留めた。秋山も直球2球で追い込むと、ここで初めてフォークを投球。カウント1-2から外角低めフォークで空振り三振を奪った。

 失策が絡んだ2-0の七回2死二塁で、林に中前適時打を許して降板。「抑えてこいと言われたところで、フォークが抜けて打たれてしまったのはもったいなかった」。反省を口にしたが、106球を投じて6回2/3を5安打1失点(自責0)。広島には通算6勝1敗となり、“鯉キラー”ぶりを発揮した。

 「疲労は取れていたので良い感じに体も動いてくれてました」と万全の状態で舞い戻った。4月30日・ヤクルト戦(神宮)以来の1軍登板。「『良いとこに、良いとこに』って慎重になってた」という同戦の反省を生かし、無四球で終えた。

 試合後も、才木の頭はフル回転している。多数のメディアから注目が集まる阪神に入団して7年目。右腕は取材に答える瞬間を“復習の場”と捉える。

 「ちょっと数値的に物足りない」、「縦回転に修正したい」…。今春キャンプ中にはトラックマンなど最先端の機器を駆使。そのことを問われると、分析結果をじっくりと説明した。思ったことや改善点を口にすることで「自分の頭で理解できているかを確認する」と思考を整えるのだ。

 チームを連勝に導き、「ここからノンストップで、最後までいければ。きょうからまたリスタート」と宣言。勢いそのままに、1年間を駆け抜ける。

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