阪神・大山 激走Vホーム「とにかく走りました」 藤本コーチ「賭けというか勝負」
「ヤクルト5-6阪神」(24日、神宮球場)
選んで、走った-。土壇場からの大逆転劇を、阪神・大山悠輔内野手(28)が激走ホームインで完成させた。クリーンアップで起こした奇跡に、「力んでしまうのは良くないけど、あそこは冷静に打席に入れたので、結果フォアボールになって。(佐藤)輝が打ってくれたので、それが全てだと思う」と選球眼と健脚で尽力した。
九回2死三塁。敬遠されることなく、勝負を挑まれ打席に入った。フルカウントからの6球目、守護神・田口のスライダーを見極めて価値ある四球。逆転の走者として出塁すると、続く5番が右翼線へ鋭い打球を放った。
藤本コーチがグルグルと手を回す。「打った瞬間に走るだけだと思ってたので」と一塁から全力疾走の大山は、長駆の末に捕手・中村のタッチをかいくぐって、左手でホームベースにタッチ。「僕は打球は見えないので、藤本さんの判断で、止める感じもなかったのでとにかく走りました」。スコアボードに6点目を刻み込んで、右手を突き上げた。
藤本三塁ベースコーチは「向こうも逆転ランナーで慌てる部分もあると思うし。賭けというか勝負。後は(大山)悠輔を信じて思い切って回しました」。期待に見事に応えた大山。四回1死から逆転への口火となる左前打もマークした。打棒を光らせ、足でも4連勝に貢献した。